研究課題/領域番号 |
21K00113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 京都市立芸術大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
薗田 郁 大阪大学, 中之島芸術センター, 特任研究員(常勤) (60772241)
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研究分担者 |
真鍋 昌賢 北九州市立大学, 文学部, 教授 (50346152)
松岡 薫 天理大学, 文学部, 講師 (90824350)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大衆演芸 / 語り芸 / 喜劇 / 音曲 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、近代日本において大衆文化の生成と展開に大きな役割を果たした大衆演芸のうち、特に音楽(語り芸)と芝居が結び付いた芸能形態として、大正期から昭和前期の演芸ジャンルのなかで上演形態に関連性が深い芸能「節劇(浪花節芝居)・俄・浪曲漫才」に着目し、それらの上演形態、演者の交流、興行活動における相互関連を解明することである。そのために主に大阪、九州(北部)地域において、文献調査、聞き取り調査に基づく興行資料や台本、映像音源資料などの資料収集、およびそれらの分析考察を行い、上記の芸能が「音楽と演劇」の交叉による広義の「語りと芝居」の文化として西日本を中心に展開していることを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、近代日本に展開した大衆向けの舞台芸能のうち、節劇、俄、音曲漫才を取り上げ、それぞれの上演(興行)活動における相互的な影響関係(流用化・交流)の把握・解明を目指した。主に九州北部および大阪での活動を調査対象とし、文献資料調査および聞き取り調査を通じて、それぞれの地域で各芸能が演目内容や演者の交流など様々な領域で相互に影響関係を与えあっていることを見出した。これらは都市部における節劇の展開が地方に引き継がれる過程で、俄やその後に現れる浪曲漫才に影響を与えた動きとしても捉えられ、地域およびジャンル横断的視点から近代の大衆芸能の興行史についての新たな理解の可能性を示したものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で対象とした芸能(特に節劇、浪曲漫才)は、これまで主要な種目の派生的な形として受け止められ、十分な関心が向けられてこなかった。しかし、本研究の成果として得られた、芸能の相互的な影響関係は、近代日本の興行実態が個別のジャンル史の列挙ではなく、それらの相互的な影響関係を含みながら形作られていることを明らかにした。このことは、近代日本の芸能興行史に新たな理解の可能性を促すものである。加えて今回の対象は都市部だけでなく、地方を含めた広い領域で捉えたものであり、近現代の興行史研究を地域研究という領域で捉えることに貢献すると考えている。
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