研究課題/領域番号 |
21K00122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
岩井 眞實 名城大学, 外国語学部, 教授 (00221789)
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研究分担者 |
小田中 章浩 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (70224251)
横山 太郎 立教大学, 現代心理学部, 教授 (90345075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 演劇 / 伝統演劇 / 比較演劇 / 夢 / 表象 / 能 / 歌舞伎 / 人形浄瑠璃 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、能・人形浄瑠璃・歌舞伎といった日本の伝統演劇に見られる「夢」の表象の独自性を、西洋演劇のそれと比較しながら明らかにしようとするものである。 「夢」の表象は、西洋の反自然主義と通底し、さらには亡霊・異界・予言など、非現実的な表象とも関わってくる。こうした点に関し、日本の伝統演劇と西洋演劇における共通点と相違点を明確にし、表象の普遍性と特殊性について考察する。 一連の考察は、「非現実的」な表象に関する研究であると同時に、「リアリズム」という永遠の問題を解明するための方法論の確立を先に見据えている。
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研究実績の概要 |
岩井(研究代表者)と小田中(研究分担者)・横山(研究分担者)はアイスランド・レイキャビクにおけるIFTR(国際演劇学会)においてパネル発表をすべく準備し、学会側からも受理されていた。7月23日に発表予定のタイトルは「Japanese Dream Culture and The Representation of Dream in Bunraku」(小田中)、「The Dream in Kabuki Moving toward Modern Unconsciousness」(岩井)、「Dream as a Narrative Device in Noh」(横山)であった。5月15日に立教大学で研究会を行い、意見交換をしてパネルとしての統一をはかった。 ところが、研究代表者である岩井が、新型コロナウイルス感染症予防のため本務校から海外渡航を禁じられ、小田中は体調不良で渡航がかなわず、結果的には横山ひとりが単独発表をすることになった。 その後も対面やEメールのやりとり等で進捗状況を確認しあっている。岩井と小田中は、IFTRで発表予定であった内容を更新し、2023年8月17日ー21日にベルギー・ゲントにて開催予定のEAJS(ヨーロッパ日本研究協会)に応募し、いずれもpaperとして受理された。 なおこの間、岩井と小田中は歌舞伎・人形浄瑠璃作品における夢の場面を悉皆調査し、2022年度末にいたってリストを完成させつつある。歌舞伎・人形浄瑠璃とも夢の表象のサンプルとなるものは各々40作程度あるが、これらを分類し、絞り込み、また歌舞伎と人形浄瑠璃の表象の比較を行うことは2023年度の課題となる。なお、オンラインでの国際会議の拠点として佐渡市鳥越文庫を考えている。そのためのインフラも整えつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の内容」の項で述べたように、研究代表者と研究分担者が3名揃って国際学会でのパネル発表をすることができなかった。岩井・小田中は2023年度の国際学会での発表に向けて準備を進めており、発表内容は深まったが1年遅れの感は否めない。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」および「現在までの進捗状況」の項で述べたごとく、8月に夢の表象に関する研究の概要はほぼできあがる。これをもとに、1、2年後に英語での著書を刊行することが本研究のねらいである。すでに岩井・小田中は「Japanese Political Theatre in the 18th Century: Bunraku Puppet Theatre in Social Context」(Routledge、2020年)を刊行している。これは平成29年度ー平成31年度科学研究費基盤(C)「壁を壊す─国際的な日本演劇研究のための拠点の構築」(研究代表者:岩井、研究分担者:小田中、課題番号17K02391)の成果の延長上に成立したのであった。本研究も同様の過程を経て出版を実現することを望んでいる。
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