研究課題/領域番号 |
21K00137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
原田 真澄 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, 助教 (40580444)
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研究分担者 |
金 昭賢 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, その他(招聘研究員) (10755721)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 人形浄瑠璃 / 文楽 / 太閤記 / 古典芸能 / 近世演劇 / 歌舞伎 / 近松半二 / 女流義太夫 / 三味線 |
研究開始時の研究の概要 |
人形浄瑠璃と歌舞伎の太閤記物作品を起点とし、登場人物の図像的・音楽表現的な人物造形の変遷を追うことで、その影響関係を明らかにすることを目的とする。そのために、人形浄瑠璃の図像資料の基礎調査を行う。次いで主要太閤記物作品の節章の基礎調査を行う。歴史上の人物が、人形浄瑠璃や歌舞伎などの演劇においてどの様に表現され、他の文芸作品とはどの様な影響関係があるのかを確認し、近世から現代までつづく武将らの評価・人物造形がどの様に成立してきたのかを明らかにし、それらをデータベースで公開する。
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研究実績の概要 |
当該年度は、研究代表者が①論文「築山殿と松平信康事件(虚像編)」、(堀 新・井上泰至編『家康徹底解読 ここまでわかった本当の姿』(文学通信、2023年)所収)、②編著『近松半二ー奇才の浄瑠璃作者』(春陽堂書店、2022年)と、③口頭発表「歌舞伎・文楽の発掘映像をみる-生きている人形」解説」の3点の研究成果を発表した。 ①は太閤記物に深く関連する徳川家に関する論考であり、築山殿(松平信康正室)が登場する文芸作品について、近世文学から近代の歌舞伎作品まで分野横断的に考察したものである。また②は太閤記物と準太閤記物(大坂軍記物など)の重要作を著わした人形浄瑠璃の作者・近松半二についての総合的な研究成果である。多くの図像資料を多用しながら近松半二の業績を網羅的に紹介、検証している点が著しく画期的であった。また本著作によって研究代表者は歌舞伎学会の奨励賞を受賞している。③は、昭和33年の公開以来殆ど上演、研究されてこなかった人形浄瑠璃文楽のカラーフィルム「生きている人形」に関する研究と報告、そして上映を行ったものである。また④人形浄瑠璃作品「世話言漢楚軍談」の翻刻を開始しており、本作は日本の文芸作品における漢籍の需要や異国の描写に関する研究に資する作品である。 それぞれ①と②は、研究目的に挙げた「1.人形浄瑠璃図像資料の調査・研究」に、③は「3.図像的要素・音楽的要素を考慮した複合的な近世演劇の太閤記物の作品・演出の研究」、④が「4. テキストと画像のデータベース化と多言語での公開」に資するものである。 研究分担者は作品翻刻と飜訳を随時進めており、2023年度以降にオンライン公開を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的のうち、「1.人形浄瑠璃図像資料の調査・研究」、「2.主要太閤記物人形浄瑠璃作品の節章とテキスト異同の調査・研究」、「3.図像的要素・音楽的要素を考慮した複合的な近世演劇の太閤記物の作品・演出の研究」、「4. テキストと画像のデータベース化と多言語での公開」においてほぼ予定通りに順調に進展している。特に「1.人形浄瑠璃図像資料の調査・研究」については進展著しいため、おおむね順調に進展していると言えよう。
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今後の研究の推進方策 |
今後は「1.人形浄瑠璃図像資料の調査・研究」の進展とともに「2.主要太閤記物人形浄瑠璃作品の節章とテキスト異同の調査・研究」、「3.図像的要素・音楽的要素を考慮した複合的な近世演劇の太閤記物の作品・演出の研究」を同時に推進しつつ、「4. テキストと画像のデータベース化と多言語での公開」についても研究を行っていく。
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