研究課題/領域番号 |
21K00141
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 嵯峨美術短期大学 |
研究代表者 |
岩崎 陽子 嵯峨美術短期大学, その他部局等, 准教授 (70424992)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 嗅覚 / アート / 美学 / 記憶 / 高齢者 / なつかしい / におい / 香り / 哲学 / 匂い / デザイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は匂いの美学を構築し、従来の視覚重視の感性論を拡張して美学の領域に新たなパラ ダイムを構築する。研究手法としては国内外の匂いをテーマとするアー ト・デザインを事例蒐集、分類、記録し、造形芸術と異なる特性を考察する。その上で「匂 いの美学」を構築し、従来の感性論に匂いの領域を新たに位置付けることを目指す。また、 昨今の香りブームに見られるような現代社会の匂いに対する要請を慎重に見極め、当研究を 様々な社会問題解決に資する基礎研究となす。匂いとそれを使ったアートは様々な社会的波及力をもつ。本研究は匂いの美学を構築することで、学術的に新たな領域を切り拓き、同時に諸々の社会問題の解決に資する。
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研究実績の概要 |
今年度はカナダ・モントリオール、コンコルディア大学で開催されたUncommon Senses Ⅳに出席し、匂いの層構造的なあり方についてベルリンのヴィクトリア国際大学のDorit Kluge教授と共同口頭発表、嗅覚アートの作品展示、作品について説明するアーティストトーク、実際に作品を体験してもらうワークショップなどを実施することができた。このように五感についての総合的な発表する国際会議の中で、他の感覚と比較しながら、嗅覚について理論と実践の両方の成果を発表することできた。また、国内外の研究者との交流も十分に実施でき、展示の場では現在の嗅覚アートの作品について情報を収集、交流することもできた。 同時期にアメリカ・ロサンゼルスで開催されたArt and Olfaction Awardにも出席し、最新の嗅覚アートの事例収集も行った。世界中から集まってくる嗅覚アートの最新の情報を得ることができ、非常に有意義であった。同時に展示会で自らの嗅覚アート作品を展示し、多くの人に体験をしてもらいながら感想を受け取ることができた。 またこれまでの研究のまとめの一端として、嗅覚についての感性論的なあり方からの知見について雑誌『美学』に査読論文が掲載された。嗅覚のマルチモーダルなあり方について論じたものであり、嗅覚アートの基礎研究として成果をまとめることができた。 こうした成果を学術論文だけではなく、アロマ関連の雑誌や介護関連のWebサイトで市民向けに解説する仕事にも積極的に取り組むこともできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内での学会誌や一般紙への論文・解説文の掲載のみならず、海外での発表や情報収集を精力的に行えたことにより、多くの知見と研究者との交流に広がりがあり、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後もより積極的に国内外での学会や展示に参加し、成果を発表することと、研究者交流による知見を深めていきたい。特に2024年度は国際的な活動に重点を置いて研究活動を進展させたいと考えている。嗅覚アートはアナログなものから、技術の発展により、VRやAIとのコラボレーション企画も進んできている。最新の技術と嗅覚の組み合わせがもたらす可能性についても今後は目配りをして、研究を慎重に進めていきたいと考えている。
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