研究課題/領域番号 |
21K00151
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山本 聡美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00366999)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 六道絵 / 寺社縁起絵巻 / 九相図 / 廃墟 / 仏教説話 / 釈氏源流 / 仏教説話画 / 平家物語 / 慈円 / 経説絵巻 |
研究開始時の研究の概要 |
寺社の創建譚や霊験譚を主題とする寺社縁起絵巻は、中世日本社会における信仰のみならず、世界観や価値観そのものの理解につながる豊富な情報を有している。 本研究課題では、描かれたモチーフや場面が依拠した経典や説話を分析し、画像データベース(経説絵引)として示すことで、その図像が示す表面上の意味だけでなく、暗示や寓意、そしてその図像が示す世界観や象徴、鑑賞者へ及ぼす心理的影響の解釈へと、中世寺社縁起絵巻の読解を深化させ、ひいては中世日本の精神史解明に寄与することを目的としている。
|
研究実績の概要 |
1)作品調査(7件) ①延暦寺宝物殿にて「光明真言功徳絵詞」の調査・撮影(2022年7月17日)、②海の見える杜美術館にて「変化あらそひ絵巻」等の調査・撮影(2022年10月2日)、③京都国立博物館にて十念寺蔵「仏鬼軍絵巻」「十念寺縁起絵巻」等の調査・撮影(2022年11月4日)、④岐阜・法華寺で「十王図」「三十番神図」等の調査・撮影(2022年11月17日)、⑤馬の博物館にて、同館所蔵屏風・絵巻・掛幅全10点の作品調査・撮影(2023年1月19・20日)、⑥金沢文庫にて「金沢実時像」等の調査・撮影(2023年2月4日)、⑦鹿児島県歴史・美術センター黎明館にて「御屏風下絵写」の調査・撮影(2023年3月12日)。以上の機会に撮影した高精 細画像の整理や文字資料の翻刻を行った。 2)シンポジウム/研究会の主催・共催・参加(主要なもの3件) ①中世文学会春季大会(シンポジウム「中世文学と絵画」)にて、「愛執と闘諍の図像―中世文学と仏教説話画」と題し報告した(2022年5月28日)。②5TH SWISS CONGRESS FOR ART HISTORY(スイス美術史学会)にて、 JAPAN INSIDE/OUT: A Multi-Perspective, Transcultural, Historiographical, Historical, and Institutional View on Japanese Art Historyにて、Buddhism and Court Art: The Sacred and Secular in Japanese Medieval Artsと題し報告した(2022年6月22日)。③文学・美術・芸能を通じた中世日本の廃墟表象に関する研究会の成果報告として、国際シンポジウム「古代・中世日本における廃墟の文化史」を開催した(2023年3月18日)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作品調査を順調に蓄積できており、この間に撮影した高精細画像の整理も進捗している。今後の論点を開拓するためのシンポジウムや研究会を企画・運営することができており、本研究課題によって得られた学術情報の活用や共有の機会を複数持つことができた。また次年度以降に継続する研究会やセミナーを複数立ち上げており(環境人文学やデジタル人文学に関するセミナーシリーズ等)、安定的な研究遂行の基盤を整備できた。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は本課題の最終年度を迎えるので、成果のとりまとめと発信に注力する。また、日本中世の寺社縁起絵巻を分析対象とする本課題の成果を踏まえ、今後、環境人文学や環境美術史といった、現代社会における諸課題解決を視野に入れた研究テーマへの発展についても、検討と計画策定に着手する。
|