研究課題/領域番号 |
21K00158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
恵美 千鶴子 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 室長 (60566123)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 書 / 書道 / 模本 / 壬申検査 / 近代美術史 |
研究開始時の研究の概要 |
明治初期の宝物調査資料を収集し整理することにより、書の鑑賞・受容の歴史に関する調査研究を行なう。明治初期の文化財破損の風潮により、政府は明治4年(1871)に古器旧物保存の布告を発布、翌年、社寺宝物調査(壬申検査)を実施した。本研究では、この壬申検査を中心に、これまで研究されてこなかった明治20年頃までの宝物調査資料を収集整理し、リストや画像などを取得する。次に、それらの初期宝物調査資料をもとに、近代における書の鑑賞・受容について研究する。明治20年を過ぎると新たな「美術」という価値観形成が進むが、それ以前の「書」がまだ鑑賞され受容されていた様相を考察する。
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研究実績の概要 |
(1)昨年度に続き東京国立博物館所蔵の明治5年(1872)壬申検査における宝物調査資料のデータ収集を行ない、終了した。壬申検査の宝物調査資料は、目録/絵図・拓本・写真、の主に2種類に分けられる。これらから、作品名、当時の所蔵者、員数、寸法、制作時期、所見(調査時の所見)、内容(本文など記述されているデータ)、採取者名(目録、絵図や拓本を採取した人物名)などのデータを抽出し、リスト化した。 (2)昨年度に続き壬申検査以外の明治初期宝物調査資料の所在確認・整理を進めた。上記の壬申検査の資料を優先的に進め、そのほかの明治20年より以前の宝物調査資料については、書について記述のある資料を中心にしながら、データ収集した。東京国立博物館が所蔵する分の中から撮影を進め、一部はすでに画像管理システムによって公開されている。また、東京国立博物館以外の関連資料の所在についても調査を続け、広島県に所在する関連資料・関連行事について実見調査を行なった。 (3)以上のデータ収集・調査に基づいて書の鑑賞・受容の歴史に関する個別研究を行なった。成果は『ビオシティ』誌などで小論文として随時発表した。東京国立博物館が所蔵する関連資料については、特集展示「東京国立博物館の模写・模造」(9月6日~10月30日)において展示し、新たに撮影した画像を図録に掲載し、展示解説にて研究成果を公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症の情勢により、外部所蔵先での実見調査がなかなか進まないものの、東京国立博物館内でのデータ収集、関連資料の撮影を進めることができた。また、特集展示を行なうことにより、資料撮影も進み、研究成果の公開もできた。
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今後の研究の推進方策 |
東京国立博物館が所蔵する関連資料のデータ収集はおおよそ終了したため、それらの撮影を引き続き進めていく。すでにホームページ上でこれまで撮影した高精細デジタル画像が公開されつつあるが、次年度は公開する画像数を増やす。さらに、外部所蔵先での実見調査を進めることにより、個別研究を深化させていく。
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