研究課題/領域番号 |
21K00159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
中尾 優衣 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 工芸課, 主任研究員 (00443466)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | デザイン / 図案 / 工芸 / クラフト / 生活 / 美術 / 百貨店 / 近代 / 展覧会 / 商業美術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1920年代から1950年代のデザインおよび工芸に関する領域で展開された実践について考察する。とりわけ、こうした動向が社会へと還元される場となった百貨店を軸として、近代デザインおよび近代工芸の概念形成の過程をめぐる諸相を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は1920年代から1950年代のデザインと工芸に関わる美術家たちの活動を、その舞台の一つとなった百貨店を軸に再検証しようとするものである。そして、近代デザインおよび近代工芸の概念形成の過程をめぐる諸相を考察し、その後の日本におけるデザイン/工芸の展開との関連性を明らかにすることを目指している。 今年度は前年度に続いて、『工芸評論』、『生活と芸術』、『都市と芸術』、『汎工芸』といったデザインと工芸に関する雑誌を対象とした文献調査を行った。とりわけ戦後の日本復興という大きな課題と人々の個々の生活改善におけるデザインと工芸の役割がどのような関係を結んできたかという点に着目し、『工芸ニュース』や『アイデア』、百貨店の企業PR誌等の記事から具体的な事例収集を進めることができた。なかでも戦後のウィンドウディスプレイに関する資料の収集と、百貨店における生活工芸をテーマとした展覧会に関する資料の収集を集中的に行った。 昨年度から継続的に進めている調査として、1920年代から1930年代にかけての都市生活の広がりとデザイン・工芸の影響関係の研究があるが、今年度は所属機関において本研究とは別に杉浦非水の複数のポスターの科学調査を実施する機会を得た。その分析結果を活用し、本研究における文献調査を組み合わせることで、グラフィックにおける表現と時代性をより実証的に検証することができた。その成果は今後論文として公表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していた遠方での作品・資料調査のいくつかが、先方の事情等もあり予定通りに進めることができなかった。昨年度実施できなかった部分は今年度に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
デザインおよび工芸に関する文献調査はある程度の目途が立ったので、今後は戦前と戦後の具体的な事例の比較検討、および両者における西洋の生活様式の持つ意義について包括的に検証していきたい。すでに関連資料の所蔵先とは調整を進めており、当時のデザイン・工芸と生活を結ぶ場として百貨店が果たしてきた機能と役割についてもより詳細に明らかにすることができるだろう。
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