研究課題/領域番号 |
21K00165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加治屋 健司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70453214)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 美術史 / カラーフィールド絵画 / アメリカ美術 / 先住民文化 / アメリカ先住民 / ヘレン・フランケンサーラー / ケネス・ノーランド / インテリア・デザイン / 非コンポジション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アメリカのカラーフィールド絵画とアメリカ先住民文化の双方向的な関係を考察する。ケネス・ノーランド、フランク・ステラ、ヘレン・フランケンサーラー、レオン・ポーク・スミスの4名のカラーフィールド画家に焦点を当てて、先行世代や同世代の美術家も調査しつつ、カラーフィールド画家が先住民の文化から受けた影響だけでなく、カラーフィールド画家が先住民の文化生産に与えた影響をも明らかにする。両者の双方向的な関係を示すことで、もっぱらモダニズムの観点から解釈されてきたカラーフィールド絵画の文化的な側面を明らかにすると同時に、先行世代や同世代と異なる、両者の協働による創造的な文化生産の意義を明らかにする。
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研究実績の概要 |
アメリカ先住民文化に関する文献調査を行うなかで、2023年4月にサンフランシスコ美術館から刊行された『トーマス・W・ワイゼル家コレクションのアメリカ先住民美術(Native American Art from the Thomas W. Weisel Family Collection)』を知った。本書は、2014年に同館から刊行された展覧会カタログ『水平線 ワイゼル家コレクションのアメリカ先住民美術(Lines on the Horizon: Native American Art from the Weisel Family Collection)』の改訂版で、過去10年間の最新の研究成果が反映されている。同書を読んで、これまで焦点を当てていた先住民の織物文化(タペストリー)だけでなく、先住民文化全体を視野に入れて調査する必要があると考えた。当初の計画を見直して、ナバホ族を中心にアメリカ先住民の、織物に限定されない文化全般に関して調査するべく、文献調査の範囲を広げた。また、アメリカ先住民と美術家や美術館との間にしばしば問題が生じたことも分かったため、美術館におけるアメリカ先住民文化の展示についても調査し、本研究が対象とするカラーフィールド画家が抱いたアメリカ先住民文化への関心が現在の倫理的な基準でどの程度妥当であるかについても検討した。同時に、カラーフィールド絵画について、単著『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』(東京大学出版会)を刊行し、ノーランドとナバホ族のタペストリーとの相互的な関係についても考察を加えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の初めに研究計画を見直して、先住民文化全体を視野に入れつつ、美術館におけるアメリカ先住民文化の展示についても調査することにしたため、海外調査を次年度に延期して、日本でも入手可能な資料の収集と分析に努めた。本研究の研究成果を含む単著『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』(東京大学出版会)を刊行したので、概ね順調な進展と言ってもよいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の初めに研究計画を見直して、先住民文化全体を視野に入れつつ、美術館におけるアメリカ先住民文化の展示についても調査することにしたため、補助事業期間を延長した。2024年度に海外の研究機関での調査を中心に研究を行い、本研究を終結したい。
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