研究課題/領域番号 |
21K00172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
伊藤 博明 専修大学, 文学部, 教授 (70184679)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | シビュラ / フィリッポ・バルビエーリ / コッレージョ・デル・カンビオ / サンタ・マリア・デル・ポーポロ聖堂 / サンタ・マリア・デッラ・パーチェ聖堂 / ボルジア家の間 / サンタ・トリニタ聖堂 / バルディーニ / クリスピン・デ・パセ / フェオ・ベルカーリ / トマス・トレヴィアン / 図像学 |
研究開始時の研究の概要 |
中世後期からルネサンスにかけて、イベリア半島(スペインとポルトガル)において出現したシビュラ像について、そして、これらのシビュラ像とヨーロッパで制作された版画集から影響を受けて成立した、16~17世紀のラテンアメリカの諸国家(メキシコ、ブラジル、アルゼンチン)の聖堂などに見いだされるシビュラ像について調査・考究し、バロック期におけるシビュラ像の世界的な受容と展開について総合的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、中世後期からルネサンスにかけて、イタリアおよびイベリア半島において出現したシビュラ像について、そして、これらのシビュラ像とヨーロッパで制作された版画集から影響を受けて成立した、16~17世紀のラテンアメリカの諸国家の聖堂などに見いだされるシビュラ像について調査・研究し、バロック期におけるシビュラ像の世界的展開について総合的に明らかにすることを目的としている。 2022年度はイタリアとフランスにおけるシビュラ像について8月上旬に調査し、資料を収集する予定であったが、日本政府によるコロナ禍に対する水際対策が引き続いて実施されていたため、海外において罹患するというリスクを考えて中止した。そのため、既存の資料を用いつつ15世紀のイタリアにおけるシビュラ文献とシビュラの表象についての研究を、前年度に引き続いて、以下のように実施した。 (1)1481年に刊行され、15世紀のイタリアでもっとも影響を与えた、フィリッポ・バルビエーリの『聖なる博士たちヒエロニムスとアウグスティヌスの不一致』における12人のシビュラ託宣と木版画について、第2版と第3版との異同を踏まえながら考察し、その託宣の典拠について考究した。 (2)15世紀後半から16世紀前半に陸続と出現するシビュラの表象について、バルビエーリの著作のほか、15世紀初頭にローマのオルシーニ邸に描かれた12人のシビュラ、また、15世紀中頃に出版された、バッチョ・バルディーニの銅版画による12人のシビュラのシリーズからの影響を踏まえて考察した。具体的に研究の対象とした場所は、フィレンツェのサンタ・トリニタ聖堂、ペルージアのコッレージョ・デル・カンビオ、ローマの サンタ・マリア・デル・ポーポロ聖堂、ローマのサンタ・マリア・デッラ・パーチェ聖堂、ヴァティカン宮のボルジア家の間などである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度も、日本政府によるコロナ禍に対する水際対策が引き続いて実施されていたため、当初予定していたヨーロッパにおける調査を、海外において罹患するというリスクを考えて中止した。それゆえ、ヨーロッパの国々における現地調査ができず、したがって美術作品についての具体的な分析を十分に行うことができず、既存の資料上を利用した研究に留まっている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はヨーロッパにおける調査が可能だと思われるので、実際にシビュラの図像の調査をおこない、あわせて、ルネサンスにおける異教的な伝統に関する表象(神話的モティーフや占星術的なモティーフ)をも念頭に置きながら、より広い文化的・思想的・美術史的文脈からシビュラの託宣と表象について研究する予定である。
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