| 研究課題/領域番号 |
21K00177
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
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| 応募区分 | 一般 |
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| 審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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| 研究機関 | 愛知産業大学 |
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研究代表者 |
杉山 奈生子 愛知産業大学, その他の研究科, 教授 (30547493)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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| 配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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| キーワード | アントワーヌ・ヴァトー / 雅宴画 / ピュグマリオン神話 / 宮廷バレエ / オペラ＝バレエ / フランス美術 / 絵の中の彫刻 / 芸術の勝利 / ジャン＝アントワーヌ・ヴァトー / ピュグマリオン / ウータール・ド・ラ・モット / ジャン＝フィリップ・ラモー / 生動性 / 画中彫刻 / マテリアリティ / 18世紀 |
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| 研究開始時の研究の概要 |
18世紀フランスの画家であり、ロココ美術の先駆者とされるアントワーヌ・ヴァトーは、紳士淑女が宮殿や庭園で音楽や舞踏、恋愛に興ずる優雅で詩情あふれる情景を描き、雅宴画という新しいジャンルを創始した。
その画中に度々登場する裸婦の庭園彫刻は、生きているかのように描かれる。これは、美しい彫刻を強い恋慕によって生身の女性へと変身させた「ピュグマリオン神話」の様々な芸術の分野での流行と同じ背景から生じていると想定される。
この関連を精査することで、美術では宗教や政治のための公的プロパガンダに加えて、現代の我々にも通じる私的で親密な愛好という新たな受容が醸成され、近代化が進んでいた過程を明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、18世紀フランス美術を代表する画家、アントワーヌ・ヴァトー（1684-1721）が創始した雅宴画の解釈を、画中の生きているかのような裸婦彫刻モティーフを中心に、当時流行していたピュグマリオン神話を取り巻く社会的・文化的コンテクストに関する資料を用いて試みるものである。
研究方法として、雅宴画という新たな絵画ジャンルの誕生と、同時代にピュグマリオン神話が諸芸術の題材となった現象を結びつけ、これらが、制作者や注文主、受容者の芸術愛好に関わる共通の背景から生じていることを浮き彫りにする。また、作品に描かれた彫刻に対するヴァトーや愛好家の眼差しを通して、雅宴画の主題解釈を導きつつ、近現代に通じる美術愛好の在り方を提示し、美術がそれまでの政治や宗教の公的プロパガンダから、親密で私的な愛好としての存在意義を増していった18世紀フランス美術史・文化史の近代化への一端を明らかにする。
本年度の計画は、次の①②③を令和３，４年度から継続発展する形で遂行された。①の作品観察として、ヴァトーが女神の彫刻を描いた生成過程を素描や絵画、彫刻をもとに改めて調査した。②のピュグマリオン神話の社会的・文化的コンテクストの調査として、絵画・彫刻・バレエ・演劇、芸術批評、芸術愛好等の文献を精読した。③として、フランス国立図書館のデータベースにてピュグマリオンに関する約10,000件の資料の調査、ヴァトー作品の国内展覧会での調査等を行った。以上から、18世紀フランスの芸術愛好の新たな潮流としてのピュグマリオン神話の流行とヴァトーの雅宴画の創成を指摘する論文を準備し、令和６年リヨンで開催される国際美術史学会世界大会での発表申請を行った(申請番号CIHA202402084,題目Statues within Antoine Watteau's Pictures:fetes galantes)。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「５．研究実績の概要」で記述した研究計画①②③について、令和３、４年度に続き、①②に加えて③を遂行した。
当初の予定では、令和５年５月８日の新型コロナ感染症の５類移行を受けて、令和５年度にはフランス調査を励行するため、フランス国立図書館の公式HPの検索機能Gallicaを使用し、現地で実見する資料の一覧を順調に準備していた。ヴァトーが師事した芝居画家・装飾美術家のクロード・ジローの展覧会（ヴァトーの作品展示有）がルーヴル美術館で開催される令和５年１１月以降に渡航する予定であったが、会場の水漏れにより開始４日で終了してしまったため、渡航も見合わせた。会場をディジョンのマニャン美術館に変更して同展覧会が開催されることになったため、令和６年度に開催時期に合わせて調査に出かけることとした。
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| 今後の研究の推進方策 |
「５．研究実績の概要」に記した研究計画①②③を継続発展させる。さらに研究計画③について、３年間の研究で得られた知見を立証するための資料の収集として、海外調査旅行を実施し、日本国内にはない資料をパリのフランス国立図書館やルーヴル美術館、ディジョンのマニャン美術館等で実見し、調査資料の精度を上げる。これらの調査結果をもとに、論文にまとめる。
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