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〈美術建築〉の観点から見た明治期における家屋装飾の歴史的位置づけに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00181
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01060:美術史関連
研究機関京都芸術大学

研究代表者

河上 眞理  京都芸術大学, 芸術学部, 教授 (20411316)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード美術建築 / 木葉会 / 塚本靖 / 佐藤功一 / 浅井忠 / 辰野金吾 / 松岡壽 / 明治美術会 / 大澤三之助 / 中條精一郎 / 家屋装飾 / 室内装飾 / 近代日本美術史 / 近代日本建築史 / 工部美術学校
研究開始時の研究の概要

本研究は日本の近代美術史及び近代建築史研究において等閑視されてきた「家屋装飾」という分野を、美術と建築を横断する〈美術建築〉の観点から分析し、その歴史的位置付けを明らかにするものである。
家屋装飾の教育は工部美術学校に設置予定だったことから、明治政府は美術の枠組みの中で重視していたと判断できるが、これまで十分には考察されてこなかった。家屋装飾についての既往研究では、美術か建築のいずれかの観点からのみ論じられてきた。本研究では、美術と建築を繋ぐものとして家屋装飾を論じ、明治期におけるその歴史的位置付けを世界史的視野から再考することによって、両者を総合的な視点で再解釈するための新たな視座を得る。

研究実績の概要

本研究は、日本の近代美術史及び近代建築史研究においてほとんど重視されてこなかった「家屋装飾」という分野を、美術と建築を横断する〈美術建築〉の観点から分析し、その歴史的位置付けを明らかにするものである。
2023年度は「水彩画の練習会」として発足した木葉会の展覧会活動、そこでの展示作品に関する情報を収集するとともに、同会の中心メンバーとして活動し、後に建築、工芸、デザイン分野に関する執筆活動を通じて当該分野に多大な影響を及ぼしたと考えられる塚本靖に着目して研究を進めた。
塚本靖は辰野金吾弟子の第一世代として知られており、東京帝国大学においても辰野が担当していた講座ポストを継承した建築家だが、彼についての建築史からの研究は思いのほか少ない。一方、美術史においては、1900年のパリ万博前後に留学し浅井忠や和田英作と塚本との交流について言及はされてきたが、詳細な研究がなされてきたとは言いがたい。そもそもなぜ建築家の塚本は美術家と深い交流をしていたのか、その理由については全く検討されてこなかったが、本報告者は〈美術建築〉を伝えた辰野と同様に美術家との交流が建築に携わる上で重要だと塚本も意識していたからだろうと仮説を立て、これを立証すべく研究を進めた。具体的には、塚本と1900年前後期にパリに在住していた画家らとの交流、帰国後の彼らとの交流を調査すべく、千葉県立美術館所蔵の絵葉書を閲覧し、内容の精査を進め現在にいたる。成果の一部は2024年度秋に同美術館で開催予定の浅井忠展図録において公開する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

塚本靖を研究の軸に据えることで、辰野金吾が導入した〈美術建築〉の継承・展開を解明することができることを確信しており、その成果は論文として2024年度秋に同美術館で開催予定の浅井忠展図録において公開することも決まっているため。

今後の研究の推進方策

千葉県立美術館所蔵の塚本靖関係の絵葉書に関する研究を引き続き進める。
また東京大学大学院工学系研究科建築学専攻デジタルミュージアム準備室に所蔵されている塚本靖関係資料の閲覧を申請し、許可が得られれば詳細研究を進める予定である。
また早稲田大学における建築学創設期に関し、同大学において所蔵資料等の閲覧を申請し、許可が得られれば詳細研究を進める予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 明治美術会から木葉会へ-明治期の建築家にとっての美術2022

    • 著者名/発表者名
      河上眞理
    • 雑誌名

      近代画説

      巻: 31 ページ: 13-35

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 〈美術建築〉が拓く視野2022

    • 著者名/発表者名
      河上眞理
    • 雑誌名

      近代画説

      巻: 31 ページ: 10-12

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] イタリア王国の美術外交と日本-画家松岡壽を中心に-2023

    • 著者名/発表者名
      河上眞理
    • 学会等名
      コロキアム「近代日本と近代イタリアの共鳴 ―佐賀の近代史と日伊関係史から照射する近代日本美術史の新側面―」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 〈美術建築〉研究への道程と展望2021

    • 著者名/発表者名
      河上眞理
    • 学会等名
      京都芸術大学文明哲学研究所
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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