研究課題/領域番号 |
21K00183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 長崎純心大学 |
研究代表者 |
浅野 ひとみ 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (20331035)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | カトリック / 東京国立博物館 / キリシタン / カンティーガス / メダル / 信仰具 / デヴォチオ・モデルナ / ラ・サレット / キリスト教 / 苦行鞭 / アグヌスデイ / ノミナ / カクレキリシタン / プラケット / 真鍮 / 禁教期 / 長崎 |
研究開始時の研究の概要 |
キリシタン信仰具とは、メダルや手札大のプラケット、版画、聖遺物入れ、ロザリオ、胸からさげる十字架などを指す。これらは禁教期の日本で潜伏キリシタンたちの信仰の支えとなったが、プラケットは、17世紀後半に踏絵として用いられるなど、数奇な運命をたどった。多くの信仰具は没収、遺棄され、意味不明のまま子々孫々に伝えられた場合もある。禁教期のキリシタン信仰具は、大正のキリシタン・ロマン期に土産用に作られたものや19世紀の再布教期にパリ外国宣教会から持ち込まれたものまで共存しているが、丁寧にヨーロッパ製原品を対照させ、文献調査と並行して、非破壊的手法で金属組成を比較することにより、客観的な成果が期待される。
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研究実績の概要 |
キリシタン信仰具の現存伝世品は、17世紀から19世紀までのものが混在しているために、幅広い知識を必要となる。革命や戦争によってヨーロッパの残存例は非常に少ないが、機会をみつけては地方美術館や聖堂付属ミュージアムを訪問し、実作例に触れる機会を増やすようにしている。また、カクレキリシタン関係の作例は、日本在来宗教の影響を受けているため、国内での展示作例を実見する機会も重要であり、時間の許す限り関連する展覧会に行くようにしている。8月初めには、東京国立博物館のご協力を得て、長崎奉行所没収品のカトリック・メダルの金属組成・形式分類・熟覧を含めて学際調査を行えたことは有意義な成果であった。夏季休業中は、大英図書館を始めとして、ロンドンでの文献調査を行い、フランスでは「不思議のメダイ」関連の愛徳修道会聖堂博物館(パリ)、勝利のマリア聖堂等を実見、関係書籍を購入し、ラ・サレット聖堂等を見学し、マドリッドへ移動してスペイン国立図書館で文献調査を行い、帰国後、奈良で「南山城の聖地」展を見学し、長崎へ戻った。秋には、東博所蔵カトリック・メダルに関して文化財科学学会でポスター発表を行った。さらに長崎市八百屋町からの発掘品のうち、キリスト教関連品(木製小十字架、ストラ断片、ビーズ各種)に関しての美術史的考察を論稿としてまとめた。また、千々石ミゲル墓所出土品に関して、改訂論文を発表し、デヴォチオ・モデルナについての考察を進めるために、アルフォンソ賢王の『カンティーガス・デ・サンタ・マリア』についての論文を共著で刊行した。さらに、東彼杵教育委員会からの依頼によりキリシタン石碑の実地鑑定を行い、所見を提出し、研究成果の社会還元に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3本の論考をまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、これまでに得られたデータをもとに論文をまとめる。
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