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メディア・アートにおける「動き」と「インタラクション」-実践的芸術理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K00191
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01070:芸術実践論関連
研究機関電気通信大学

研究代表者

児玉 幸子  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (10323883)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードメディアアート / インタラクティヴアート / 機械学習 / 芸術理論 / インタラクションデザイン / ヒューマンコンピュータインタラクション / メディア・アート / インタラクティヴ・アート / キネティック・アート / インタラクション / 動き / 芸術
研究開始時の研究の概要

本研究では、コンピュータ等の情報技術のテクノロジーを用いて作る芸術であるメディア・アートの芸術学を、作品における「動き」と「インタラクション」の特徴を中心に、制作と展示の実践、社会において新たな価値を創出する芸術の理論的側面から研究する。
メディア・アートの構想において、芸術家、作品、鑑賞者、社会との結びつきを「動き」と「インタラクション」によってデザインする芸術理論の構築を目的とし、作品の調査、作品制作と展覧会の開催、鑑賞行動の評価による実践的枠組みで研究を進める。

研究実績の概要

『デザイン学研究作品集』に「格子窓シリーズ:反射光色によるキネティックライトアート」が掲載された。《格子窓シリーズ》は、フルカラーLEDを格子の奥行き方向に照射し、反射光の色と輝度を制御するキネティックライトアートである。雲のようなイメージが動く《雲の路》、シンボルが現れては消える《Invisible Heart》などを制作し、LEDをつけた格子を空間に設置してぼやけた光のイメージを出現させる手法を構築した。「つくばサイエンスハッカソン」では、Jaxaの篠原育教授、鳥海森准教授とのコラボレーションを行い、キネティックインスタレーション《太陽との邂逅》を制作し、映像情報メディア学会誌のメディアアート特集号で報告した。また、2016年に調布市文化会館で開催したメディアアート展の来場者アンケートを分析し、電気通信大学紀要に論文として発表した。日本記号学会で2020年に行われた吉岡洋教授と三原聡一郎氏との対談「機械生命論」が書籍『生命を問いなおす 科学・芸術・記号』に収められ出版された。動く対象をメタバースで写真撮影し参加者と共有するアプリケーションの開発を研究室の大学院生達と進め、NICOGRAPH2023で口頭発表を行った。
国際シンポジウムAlife2023の“unconscious relationship”展(北海道大学)では、複雑系のアルゴリズムEvoloop(Sayama,1999)を用いるインタラクティヴアート《Living Surface》(2004年)の記録映像を展示した。つくばメディアアートフェスティバル2023では上述の《太陽との邂逅》を展示し、木津川アート(京都府)では、旧ボタン工場にボタンと磁性流体の“モルフォタワー”、映像で構成するインスタレーション《海と星々の庭-不可知の領域》を展示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、研究期間の最終年度は2023年度としていたが、複数の学会発表と展覧会に平行に取り組む中で、研究成果を精緻な論文にまとめる十分な時間をとることが難しくなったため、研究期間の1年延長を申請し許可された。現時点で、本研究テーマの成果を書籍、学会誌、展覧会など複数の媒体で発表することができている。延長した最終年度(2024年度)には、芸術作品に「動き」と「インタラクション」をもたらす新たな方法としてディープラーニングを用いる実験を行い芸術作品に応用する。

今後の研究の推進方策

本研究は、コンピュータ等の情報技術のテクノロジーを用いて作る芸術であるメディアアートの芸術学を、作品における「動き」と「インタラクション」の特徴を中心に、制作と展示の実践、社会において新たな価値を創出する芸術の理論的側面から研究するものである。メディアアートの構想において、芸術家、作品、鑑賞者、社会との結びつきを「動き」と「インタラクション」によってデザインする芸術理論の構築を目的とし、先行作品の調査、作品制作と技法の開発、展覧会の開催、鑑賞行動の評価などを行ってきた。
芸術作品における「動き」を作り出す新しい手法として、太陽を観測する衛星データなど自然から得られるデータを取り込んで動かすジェネラティヴアート、衛星が撮影した画像や、人間の身体による動きを機械学習して、動画の生成やインタラクションに利用する手法を開発した。また、視線を検出してグラフィックが変化するインタラクティヴアートの考察を行った。芸術を見る側である人間の目など身体が動いていることもまた、芸術体験に対して大きな影響があると考えられる。さらに、作品を介した人の相互作用、作品と社会における相互作用についての実験を行うため、参加者がインタラクションを創造しデザインする場として、メタバースにおける場(ClusterとVR Chat)と、実空間において開発したシステムでワークショップ等を行う場の両方を構築し、教育や制作の場における実験を進めている。
2024年6月に東洋大学で開催される藝術学関連学会連合の公開シンポジウムにおいて成果の一部を「生成AIによるメディアアート」のタイトルで発表予定である。2024年度中に、研究に関連する学会発表とジャーナル論文の投稿、書籍の執筆まで行いたい。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 調布市文化会館たづくりで開催されたメディアアート展における来場者アンケートの分析と考察2024

    • 著者名/発表者名
      児玉 幸子、山本 雄也
    • 雑誌名

      電気通信大学紀要

      巻: 36 号: 1 ページ: 42-49

    • DOI

      10.18952/0002000125

    • ISSN
      09150935
    • URL

      https://uec.repo.nii.ac.jp/records/2000125

    • 年月日
      2024-02-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 格子窓シリーズ:2023

    • 著者名/発表者名
      児玉 幸子
    • 雑誌名

      デザイン学研究作品集

      巻: 28 号: 1 ページ: 1_36-1_39

    • DOI

      10.11247/adrjssd.28.1_1_36

    • ISSN
      1341-8475, 2188-7772
    • 年月日
      2023-07-31
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 《太陽との邂逅》メディアアートの見立てと宇宙科学2023

    • 著者名/発表者名
      児玉幸子
    • 雑誌名

      映像情報メディア学会誌(特集:メディアアートの拡張と普遍化)

      巻: 77巻5号 ページ: 569-571

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 格子窓シリーズ:反射光色によるキネティックライトアート2023

    • 著者名/発表者名
      児玉幸子
    • 雑誌名

      デザイン学研究 作品集28号

      巻: 1

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] “Utopia" an Interactive Visual Experience, Equal and Borderless World, from a Semantic Concept of a Painting to a Comprehensive Eye-Navigation2021

    • 著者名/発表者名
      Negar Kaghazchi, Yuto Kobayashi, Hiroki Takahashi, Sachiko Kodama
    • 雑誌名

      The Journal of the Society for Art and Science

      巻: 20/3 ページ: 183-193

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Living Surface2023

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Kodama, Yoko Fukuda, Hiroki Sayama, Hideki Koike
    • 学会等名
      Alife 2023, Art Exhibition “Unconscious Relationship” (招待展示)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Fortuitous Shot in Virtual 3D World:ヴァーチャルリアリティー空間で「写真」を撮影するアートゲームのデザインと開発2023

    • 著者名/発表者名
      高原 竜也, 山本 雄也, Kim Jaehyen, 作田 遼太郎, 児玉 幸子
    • 学会等名
      NICOGRAPH2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 蛍光磁性流体のメディアアートへの応用2022

    • 著者名/発表者名
      児玉幸子
    • 学会等名
      第5回羽倉賞受賞記念講演会、最先端表現技術利用推進協会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Artist Talk in "Small Reboot by Japanese Artists" Exhibition2022

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Kodama
    • 学会等名
      Museum of Contemporary Art Vojvodina, Novi Sad, Serbia
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] オンラインイベントにおけるインタラクションの実装と考察2022

    • 著者名/発表者名
      千田竜也、児玉幸子
    • 学会等名
      インタラクション2022
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Gravity Space : VRHMDで体験する重力をテーマとしたインタラクティブ・アート2022

    • 著者名/発表者名
      猪原拓実、児玉幸子
    • 学会等名
      インタラクション2022
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 生命を問いなおす 科学・芸術・記号2023

    • 著者名/発表者名
      三原聡一郎,児玉幸子, 吉岡洋「機械生命論」
    • 総ページ数
      23
    • 出版者
      新曜社
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 観客と共創する芸術Ⅱ(埼玉大学教養学部 リベラル・アーツ叢書14)2022

    • 著者名/発表者名
      児玉幸子、山崎敬一、ビュールク・トーヴェ他編
    • 総ページ数
      306
    • 出版者
      埼玉大学教養学部・人文社会科学研究科
    • ISBN
      9784991013942
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 児玉幸子研究室 ニュース

    • URL

      http://www.kodamalab.hc.uec.ac.jp/news.html

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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