研究課題/領域番号 |
21K00202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 京都芸術大学 |
研究代表者 |
戸坂 明日香 京都芸術大学, 文明哲学研究所, 准教授 (40894548)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 復顔 / 三次元復顔法 / 表情 / 不気味の谷 |
研究開始時の研究の概要 |
人間の頭蓋骨から解剖学的手法に基づき生前の顔を復元する方法を「復顔法」という。警察における身元不明者の遺骨鑑定や、人類学・法医学の分野で古人骨や歴史上の人物の顔を復元する際に用いられる手法である。本研究では、人間の表情変化に伴う軟組織(筋肉・脂肪・表皮)の可動域を調査し、復顔法で自然な表情を作るための手法を開拓する。日本の復顔研究では粘土を用いた復顔法の研究が進んでいるが、本研究ではCTスキャナー・3Dスキャナー・画像制作ソフトZ brushを用いたコンピューター・グラフィックスによる復顔法を実施し、ロボット工学や医療機関など異なる分野でも応用可能な新たな復顔法を確立することを最終目標とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、コンピューター・グラフィックスの技術を用いて復顔を行い、人間の表情の変化に伴う軟組織(筋肉・脂肪・表皮)の動きを調査し、肌の質感や表情の微細な表現が鑑賞者に与える心理的な影響を検証することで、これまで乗り越えることが困難だった「不気味の谷」を超える復顔技術を確立することを目的としている。これまでの復顔法では顔の造形手法に関する指示は一切なかったため、軟組織の動きと頭蓋骨の相関関係を解明し、復顔法で自然な表情を作るための指標を提示することを最終目標としているが、今年度は復顔法の検証を行うことから始めた。現在の日本の復顔研究は粘土による復顔法が主流であるが、本研究ではデジタル技術を用いても同様の結果が出るのかどうかについて比較実験を試みた。 デジタル復顔法は相同モデル(頭蓋骨と皮膚上に定めた頂点数や面の接続情報が同じで、その頂点に軟組織厚のデータを与え平均形状顔を算出する手法)のソフトウェアを用いた復顔法が先行研究で行われているが、本研究ではコンピューター・グラフィックス(以下:CG)のソフトウェアであるZ brushを用いて、頭蓋骨上に筋肉の構造を深部から再現していく手順をとる。解剖学の手順に基づくCG復顔法は日本では実施されておらず、粘土法と相同モデル復顔法とCG復顔法の3つの手法を比較し検証する研究は世界的に見ても前例がないため、本研究は復顔法の精度や信憑性を明らかにするための挑戦的な実験であるが、今年度は育児休暇(2022年1月15日~8月末日)取得により研究は大幅に遅れることとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症対策の一環として県外への移動を自粛していたこともあり、予定していた研究資料の調査が難航した。また、育児休暇の取得により上半期は研究が中断しており、復職後には復顔に必要なデータ収集のための倫理申請手続きが難航したこともあって課題の進捗状況は大幅に遅れている
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今後の研究の推進方策 |
復顔に必要なデータ収集のための倫理申請手続きを早急に進め、頭部データの取得を重点的に行う。また、自粛していた他県(主に東京)での資料調査や頭骨調査を積極的に行い、復顔法の手法開拓を進めていく。
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