研究課題/領域番号 |
21K00205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
直井 玲子 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (00734295)
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研究分担者 |
園部 友里恵 三重大学, 教育学部, 准教授 (80755934)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | インプロ(即興演劇) / ジェンダー / アクションリサーチ / 演劇 / パフォーマンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、インプロ(即興演劇)におけるジェンダー・バイアス克服を目指して米国で考案された上演形式「ザ・ベクデルテスト」(BT)の構造及び背景にある理念を明らかにするとともに、日本で継続的にBT実践を行うことによるインプロ演者の変容過程を解明する。そのために、本研究の実施主体となるパフォーマンス集団を結成し、研究代表者及び分担者自身も演者として関わりながら研究を遂行するアクションリサーチを行う。以上を通して、日本におけるインプロ実践方法論をジェンダーの視点から再構築し、社会における性をめぐる格差の是正に向けた知見を、演劇パフォーマンスの領域から提示する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、インプロ(即興演劇)におけるジェンダー・バイアス克服を目指して米国で考案された上演形式「ザ・ベクデルテスト」(BT)の構造及び背景にある理念を明らかにするとともに、日本において継続的にBT実践を行うことによるインプロ演者の変容過程を解明することである。 2年目となる2022年度も、昨年度立ち上げた「インプロとジェンダー探究プロジェクト」をアクションリサーチの基盤として実践研究を継続することができた。同プロジェクトの構成員によるオンライン定例会(稽古)を開催し、そこにBTの開発に携わり現在もBTを実践し続けている海外のインプロ実践者5名を招聘した。加えて、今年度は、ジェンダーをめぐる文献や映画を扱う学習会も定期的に開催した。その結果、日本におけるジェンダー研究を概観するとともに、BTの具体的な実践方法や、インプロの演技や演出方法についての理解を深めることができた。 以上の実践成果の発表の場として、7月、11月、2023年1月、3月に一般公開パフォーマンス(公演)をオンラインにて開催した。それらを踏まえて、パフォーマンス開催ごとに構成員の個別インタビュー調査を行い、稽古・公演を通して感じたことを省察する語りを抽出し、実践を通した変容過程を辿ってきた。 研究成果の報告としては、日本教育学会に論文が採択された(「インプロ上演形式「ザ・ベクデルテスト」における男性演者の「恐れ」とは何か?:「弱さ」と「加害者性」のはざまで」)ほか、日本社会教育学会(9月)及び日本質的心理学会(10月)にて口頭発表を、日本質的心理学会(10月)にてシンポジウムを、表象文化論学会(11月)にてワークショップをそれぞれ企画・開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は当初の計画通り、アクションリサーチの継続を遂行でき、順調に実践・調査データが蓄積されている。また、研究成果の中間報告として、論文1点(査読有)、学会における口頭発表2件、シンポジウム1件と、ワークショップ1件を行うことができた。以上よりおおむね順調に進展していると言える
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2023年度は、2年間継続してきた「インプロとジェンダー探究プロジェクト」におけるアクションリサーチを通して得られたデータの分析に入る。加えて、構成員が各々の所属劇団等においてインプロ実践に携わったときの変化を中心的に検討する。具体的には、構成員への個別インタビュー調査の継続、また、各構成員の所属劇団での参与観察調査を通して、 BT実践の継続によって演者のパフォーマンススタイルやジェンダー観に変化がみられるのか、BTを学び続けたインプロ演者が他のインプロ実践にいかにBTの理念や考え方を応用していくのかを明らかにする。 最終成果報告として、学会での研究発表のほか 、国内学会誌への論文投稿を行うほか、研究成果の書籍化により広く発表していく予定である。また、一般にも開かれたワークショップやパフォーマンス上演の開催(2024年2月予定)により、広く知見が還元される形で研究成果を公開する。
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