研究課題/領域番号 |
21K00213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
近藤 恵介 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 准教授 (50839842)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 鏑木清方 / 小林古径 / 前田青邨 / 伝顧愷之筆《女史箴図巻》 / 模写 / 卓上の絵画 / 日本画 / 近藤恵介 / 安田靫彦 / ブレ、ズレ、ユレ / 絵画 / 近代日本画 / マルチプルとしての印刷物 / 展覧会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、今日の絵画制作における別の可能性を、明治~昭和の画家・鏑木清方(1878~1972年)が提唱した「卓上芸術」を端緒とする試み「卓上の絵画」において示す。 「卓上の絵画」では、「卓上芸術」の嚆矢となった連作画冊、通称「游心庵絵日記」を始めとする「卓上芸術」に類する作品の調査、文献資料の分析を多角的にし、清方の絵画の在り方と好対照をなす再興院展の三画家、小林古径(1883~1957年)、安田靫彦(1884~1978年)、前田青邨(1885~1977年)の構築的な制作プロセスを経て成立した近代の新しい「日本画」に見られる線描を批評的に読み解き、応答するように、絵画作品として展開する。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究は、東北大学附属図書館が所蔵する、小林古径、前田青邨による伝顧愷之筆《女史箴図巻》(5~7世紀)の模写である《臨顧愷之女史箴巻》の模写に取り組むことから始めた。原本自体も誰が描いたのかは定かでなく、また、補絹、補筆の多さからも、複数の人間が長い時間をかけて修復を繰り返してきたことがうかがえる。その意味で、個人の線に還元できない複雑性ーーあるいは抽象性を有している。「布れの象嵌」と古径が書いたように、パッチワークのように繋がれた線を、古径、青邨が協働して見出し、新しく引き換えたのだが、その線を新しく模写することで、線を作り、今日の絵画表現へと展開させることを目的とする。 この《臨顧愷之女史箴巻》を中心に据えた展覧会「さわれない手、100年前の声」では、複雑性、抽象性を有する模写の線をギャラリー空間内に配置し、模写の経験をそのまま展覧会の形式に開いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学の通常業務(教育、組織運営)が過多になっており、思うように研究の時間を確保できていない。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は本研究の最終年度である。これまでの研究の成果を展覧会、シンポジウム、記録集を通して発表する。会場は本務校にある佐賀大学美術館を予定している。
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