研究課題/領域番号 |
21K00217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 桐朋学園大学 |
研究代表者 |
梅津 時比古 桐朋学園大学, 音楽学部, 特任教授 (80449800)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 比較文化 / 異文化圏 / 裏面史 / 差別 / 読み直し / 原 冬の旅 / 水車屋の美しい娘 / 死せる菩提樹 / 異文化圏における受容 / 比較文化論 / 菩提樹 / 紙上シンポジウム / 冬の旅コンサート / 社会的差別 / 性的差別 / 社会構造 / 象徴の読み解き / 詩と音楽の相互註釈 / テクストの読み直し / シューベルト / 文化圏 / 相互理解 / 誤読 |
研究開始時の研究の概要 |
シューベルトの歌曲集《水車屋の美しい娘》を中心に、異文化圏としての日本における作品の受容が生み出した問題点を明らかにする。異なる文化圏でのシューベルト歌曲の誤読を解析し、その研究の成果を、原曲が創作されたドイツ語文化圏におけるこの作品の伝統的理解にも逆照射することにより、それのもつ現代における意味を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究はシューベルトの歌曲をテクストに、隠れた象徴の読み解きや、日常における異文化間の誤読を追求する比較文化論により、ドイツ歌曲の日本での受容が生み出す問題点を明らかにし、同時にドイツ語文化圏における伝統的理解にも逆照射し、それのもつ現代における限界を明らかにした。成果として新解釈の《水車屋の美しい娘》研究書の刊行(2022年)、シューベルトとニーチェの関連を紐解いたDer sterbende Lindenbaumのドイツでの刊行(2023年)、ドイツから二人の音楽家を招いた《冬の旅》コンサート(同)、日独の哲学者、音楽家による「紙上シンポジウム」の両国語による刊行(2024年)があげられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義及び社会的な意義としては、シューベルトの歌曲集(《冬の旅》や《水車屋の美しい娘》)におけるドイツ語文化圏における伝統的理解に対し、間違いを指摘すると共に、全く新しい解釈(読み直し)を提示したことにある。それによって、ドイツでも”Ur Winterreise(原 冬の旅)の研究及び新解釈を引き起こした。 同時にそれは、日本のシューベルト研究への高い評価をドイツにおいて生んだ。 付随的には、日本において長年、用いられてきた定訳としての《美しき(い)水車小屋の娘》を、背景の社会的な誤解なく意味が伝わる《水車屋の美しい娘》に直して、一部ながらプログラムや曲目解説などに定着させたこともあげられる。
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