研究課題/領域番号 |
21K00230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
高橋 美樹 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (30403869)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 沖縄 / レコード / 録音 / ディスコグラフィー / 民謡 / 古典音楽 / レコード会社 / 三線 |
研究開始時の研究の概要 |
沖縄音楽専門レコード会社のディスコグラフィーを作成し、沖縄における録音産業の成立過程を明らかにする。戦前にマルフク・レコードを初めとする4社、戦後はマルタカ・レコードを初めとする5社が設立された。1920年代~1980年代における沖縄独自のレコード会社の実態とその成果を解明する。本研究の主眼は以下の3点である。 (1)沖縄音楽専門レコード会社9社における録音曲目の全貌を明らかにする。 (2)沖縄音楽専門レコード会社の社史を編纂する。 (3)沖縄音楽専門レコード会社が録音スタジオとして活用していた沖縄のラジオ、テレビ局との連携・相互関係を分析する。
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研究実績の概要 |
これまでの研究成果をまとめた著書『沖縄レコード音楽史―〈島うた〉の系譜学』をミネルヴァ書房から出版した(高橋美樹2024)。沖縄にレコードや蓄音器などの録音メディアが導入されたことで、沖縄の音楽はどのように国内外へと広まっていったのか。本書では民族音楽調査に始まり、スタジオ録音、現地録音、ライブ録音、カバー録音まで、レコード化された沖縄の音楽を詳細に描いた。 2023年度の研究において、トモエ・レコードのディスコグラフィーを作成し、録音した曲名、歌手・演奏者、ジャンル、レコード番号、発売年について明らかにした(高橋美樹2024:235-257参照)。レコード販売目録は沖縄県立図書館、SPレコードは南風原文化センターと沖縄県立芸術大学附属図書館(田辺文庫)に所蔵されており、それらを調査した。結論は下記4点である。 【1】トモエ・レコードとは、沖縄県那覇市にある自声堂とヨシヤ楽器店がSPレコードを制作した沖縄音楽専門レーベルである。【2】トモエ・レコードはレコードのプレス製造を東京のコロムビア・レコードとオーゴン・レコード、奈良の帝国蓄音器、大阪の阪急国際工業に委託していた。1934年に沖縄から東京へ、歌手と演奏者が遠征し、オーゴン・レコードのスタジオで録音した記録がある。【3】1934年から1936年発売のSPレコード202枚を調査した結果、録音曲目は全313曲58作品(全404トラック)であった。最も収録が多いジャンルは琉球古典音楽であり、続いて、歌劇、沖縄民謡、八重山民謡の順となる。筑前琵琶や童謡を収録した点がトモエ・レコードの特徴である。【4】録音した歌手・演奏者は伊差川世瑞、仲泊兼蒲、多嘉良朝成、多嘉良カナ子、玉城盛義、糸数カメ子他であった。また、複数の配役が必要な歌劇を収録する際、巴(トモエ)歌劇団を結成し収録していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に関わる調査は順調に進んでいる。沖縄現地調査で収集したレコードや目録を整理し、各レコード会社別にデータベース化を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
1.戦前、那覇市に設立された〈ヤマキ・レコード〉の活動記録とディスコグラフィーを作成する。 2.1955年那覇市に設立された〈マルタカ・レコード〉の活動記録とディスコグラフィーを作成する。
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