研究課題/領域番号 |
21K00239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
宮本 明子 同志社女子大学, 表象文化学部, 准教授 (60633419)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 一次資料 / 映画史 / 小津安二郎 / 野田高梧 / 直筆 / 台本 / 手帳 / テクスト / 日記 / 映画 / アーカイブ |
研究開始時の研究の概要 |
映画監督小津安二郎が書き込みを行った草稿や台本がある。これら直筆資料群に対して、小津の直筆は入らないものの、小津や小津組の制作に関わる「その他の資料」がある。以上を比較し、小津と小津の映画の制作過程に迫る。比較に重点を置くのは、「その他の資料」に、直筆資料群にはない記録が残されているためである。たとえば、小津と脚本を執筆していた脚本家野田高梧が記していた手帖には、小津が必ずしも記していない、執筆の方法や過程をみてとれる。このような手がかりをもとに、これまで明らかになった結果を批判的かつ総合的に検討する。あわせて、資料所蔵先とともに、一次資料の保存・活用の方法も考察する。
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研究成果の概要 |
第一に、『早春』の台本と同時代の資料を比較検討し、作家里見弴が映画雑誌『シナリオ』で『早春』の台本への関与を明言していたことや、里見が日本映画の台詞をどのようにとらえていたのかを突き止めた。第二に、『麦秋』台本の一部が掲載された高等学校国語教科書の分析を通じて、小津の1950年代における受容の様相を明らかにした。第三に、脚本家野田高梧の1963年の手帳に小津の記録が残されていたことを発見し翻刻を行った。同手帳から、小津の次回作への意欲や入院時の様相を明らかにした。以上のように、小津が巨匠と評価される過程を、資料の精査を通じて示すことができた。今後、他の作品にも対象を広げての分析が課題となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新資料を含む一次資料を通じて映画成立過程を実証する。既存の小津像や成立過程を再考し、後続する研究に資する。
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