研究課題/領域番号 |
21K00247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
貴志 奈央子 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (30535381)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 科学技術政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、再生医療業界を対象としたターゲティング政策が科学研究に与える影響を検証する。分析では、心臓の傷病を対象とした幹細胞に関する研究に焦点をあて、ターゲティング政策と科学者の選択するテーマの関係を明らかにする。研究者が研究課題を決定する要因について、既存研究では、疾病の罹患率、公的支援を享受できる可能性、 特定の研究に対する政治的な制約などの影響を分析してきた。これに対し、本研究では、 科学技術政策のターゲティングに焦点をあてて、研究課題の決定に与える影響を明らかにする。そして、導出された結論に基づき、黎明期にある再生医療業界への適切な研究開発支援策について示唆を提示する。
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研究成果の概要 |
本研究では、科学技術政策においてターゲティングを行うことが科学の発展に与える影響について、再生医療業界を分析の対象とし、ヒト胚性幹細胞をターゲットとした政策に焦点をあてて検証を重ねてきた。検証の結果として、一定期間に限った公的投資の中断であっても、知識の蓄積が停滞したことによる影響は、政策変更後にまで及ぶ可能性があることを示した。分析においては、胚性幹細胞に関連した研究が、規制緩和後も活性化していないことを明らかにしている。そして、特定の研究をターゲットとした政策については、長期的な影響を加味して意思決定を行う必要があることを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における学術的意義として、科学的な知識蓄積の中断が、その後の関連研究の発展にどのような影響を与えるのかについて、実証的なエビデンスを追加した点を挙げることができる。また、その社会的な意義は、科学技術政策におけるターゲティングの設定について、その長期的な影響を視野に入れた検証に基づいて、意思決定を行うべきであることを指摘した点にある。知識の発展には長期の時間を要するため、短期的な論拠によって知識の蓄積が阻害されるケースについては留意する必要がある。
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