研究課題/領域番号 |
21K00251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
市原 猛志 熊本学園大学, 商学部, 講師 (00590564)
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研究分担者 |
天野 武弘 愛知大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80591510)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 水硬鉱滓煉瓦 / からみ煉瓦 / 再現 / アーカイブ / 産業技術史 / 鉱滓煉瓦 / 炭滓煉瓦 / 人造石工法 / 産業考古学 / 材料史学 / 長七たたき |
研究開始時の研究の概要 |
国内の特定地域に集中して現存する長七たたき (人造石工法)、からみ煉瓦(鋳造鉱滓煉瓦)及び鉱滓煉瓦(水硬鉱滓煉瓦)の各資材は、鉄筋コンクリート材普及に至る過渡的組積材技術であり、近年製造法に関する研究が進んでいる。これを産業考古学分野の研究者で分担し、①各素材が経年し獲得した価値を認識し、②維持活用手法と問題点を析出、またこれら素材が、③地域活性化に貢献しうる共通の評価指標を導き出す。
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研究実績の概要 |
当該年度の研究活動に関しては、過年度に引き続き感染症拡大防止の観点から主に前半期の出張調査が行えず、とりわけ夏休み期間中に国際産業遺産保存委員会(TICCIH)への参加、また研究代表者の学内業務(役職)もあり、研究自体の進捗は遅れている。科研費研究にかかる成果としては、主に中部産業遺産研究会発行『産業遺産研究』における海外事例紹介をはじめとして、熊本学園大学産業経営研究所『産業経営研究』への投稿、また『考古学ジャーナル』での事例紹介といったところが挙げられる。研究分担者の発表成果に関しては、中部産業遺産研究会での発表や人造石工法を用いた土木構造物群に関する各種報告書などを中心に着実に実績を積み重ねている。今年度の特筆すべき成果としては、研究代表者と共同研究者による国際学会参加報告といった形ではあるが、共同成果としての報告が行えたことも付け加えたい。 水硬鉱滓煉瓦の生産状況とその変化については、国立国会図書館のデジタルコレクションをはじめとする近年のアーカイブ精度の向上に伴い、令和5年に入り新たな資料が着実に入手できているため、最終年度には査読付き投稿のめどがつくものと考えている。 次年度は自由な学術交流が活発に行える情勢であることから、昨年度に引き続き行っている鉱滓煉瓦の再現にかかるワークショップなど北九州地域における滓津堂について引き続き行うことに加え、九州大学以外のアーカイブ資料から水硬鉱滓煉瓦のほか、からみ煉瓦(鋳造鉱滓煉瓦)に関する資料をできうる限り入手し、最終報告書作成に向け反映させていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症拡大防止の観点から前年度に引き続き出張調査が実施できず、佐渡への合同調査は最終年度を予定している。研究計画書にも記載した国際学会への発表については、本年度9月に実施し、また最終年度にも別の国際学会への発表を行うことで、過年度の遅れを研究・成果発表ともに取り戻す計画を立てている。また計画外の『考古学ジャーナル』への掲載を機に、鉱滓煉瓦に関する新たな情報も入手できている。名古屋大学との共同研究会は引き続き行う予定で、からみ(鍰)煉瓦に関する資料を九州内の文書センターより入手できる可能性があり、これら成果は最終年度に反映される。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの間に入手できている資料の解析に努めるとともに、予定している国際記念物会議での発表はじめとした各種学会への発表を着実に行っていく。現在紹介中の地方自治体文書から確認できるからみ煉瓦の動向について引き続き調査を図り、また昨年度未完に終わったままであるからみ煉瓦(鋳造鉱滓煉瓦)研究者によるネットワーク構築を図ることによって、次年度以降の研究発展に繋げていきたい。また秋頃予定している単著の刊行を機会として、研究分野全体の活性化を企図する。
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