研究課題/領域番号 |
21K00252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
加藤 尚子 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (70294858)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 長期入院 / 病院の歴史 / 地域医療構想 / 医学・医療の歴史 / 病院進化論 / 平均在院日数 / 老人病院 / 精神科病院 / ハンセン病療養所 / 所有形態 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の病院の在院日数は、欧米諸国と比べると非常に長期化している。在院日数の変化には経済状況や社会的価値観まで踏まえた多角的な分析が必要であるが、日本では未だ充分ではない。 本研究では、在院日数の変遷を縦断的かつ総合的に分析し、日本の病院の長期入院の実態を把握する。老人病院、精神科病院、ハンセン病療養所、結核病棟という長期入院が顕著な病院群を対象として、在院日数と病臥者数の年次推移を分析し、施策の動向と社会の認識の変化との関連性を検証する。 これまでにない長い時間軸で、社会全般からの視野をもって在院日数の変遷を辿ることで、日本の病院の在院日数が長期化する要因を解明することができると考える。
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研究実績の概要 |
本研究は、在院日数の変遷を縦断的かつ総合的に分析し、日本の病院の長期入院の実態を把握することを目的とする。長期入院が顕著な病院群を対象として在院日数と病臥者数の年次推移を分析し、施策の動向と社会の認識の変化との関連性を検証するものである。 2023年度は、2022年度から引き続き長期入院問題の根底にある日本の病院の特殊性を明らかにするために、病院の実態把握分析と歴史分析を行った。 実態把握分析においては、まず、病床規模別・所有形態別に病院機能の変遷を辿り、過去のどの時点において病院の機能が分化していったかを、病院機能の年次推移分析によって検討した。研究成果は「病床規模別・所有形態別にみた病院機能の変遷」と題する論文にまとめ、学術誌に掲載された。次に、医療施設調査・病院報告の個票データから、病院の投入と産出、患者の重症度、サービス提供形態などの指標を抽出し、クラスター分析によって病院群分類を検討した。研究成果をまとめて「ポストコロナ期における地域医療構想の展望」と題する論文にまとめ、学術誌に掲載予定である。 歴史分析においては、現在の病院に至るまでの歴史的経緯を把握するために、紀元前の病院の起源まで遡って文献史料を収集し、比較対象のために主として西洋と日本の病院の歴史について、史料を整理し検討した。そして両者の比較分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病院の実態把握分析に関しては、予定通り進捗できているが、病院の歴史分析が難航している。想定外の膨大な労力と作業を伴うものだであり、歴史的資料の収集に時間を要した上に、収集した膨大な資料の分析作業がまだ完了していない。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度の研究総括を行い、これまで取り組んできた病院の実態把握分析を総括する。 歴史分析に関しては早急に完了させ、書籍を編纂する。医療技術の進展と社会の需要が噛み合って20世紀に最大の効力を発揮し、かつ西洋とは異なる機能を持つに至った日本の病院は、どのようにして今ある病院となったのか。病院の起源まで遡ってその変遷を辿り、病院進化論の観点から超高齢社会を支える21世紀の病院像を探索する。 以上の成果を踏まえて、研究計画当初に掲げた研究テーマ、長期入院の定量分析と施策動向の歴史的分析を取りまとめる。
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