研究課題/領域番号 |
21K00283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 二松學舍大學 (2023) 広島大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
妹尾 好信 二松學舍大學, 文学部, 教授 (10171357)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 岩国市中央図書館 / 岩国徴古館 / 吉川家寄贈図書 / 岩国学校教育資料館 / 古典籍 / 分類目録 / 「郷土図書」資料 / 書名索引 / 「文書類」資料 / 岩国市の古典籍 / 岩国徴古館資料 / 岩国学校教育資料館蔵書 / 岩国市中央図書館和装図書 |
研究開始時の研究の概要 |
岩国市に伝存し、市内4施設に分散して所蔵される江戸時代から明治時代に至る和漢古典籍の分類総合目録を作成するための研究である。 すでに10年ほどをかけて、各施設が所蔵する古典籍の悉皆調査を行っており、詳しい書誌データの収集は、一部新出の資料を除いてほぼ完了している。 本研究では、それらのデータを統合できる形に整理する作業を行う。また、分類項目の確定と整備には困難が伴うことが予想されるが、必要に応じて現地での再調査を行ってより完全なデータ作成をめざす。 完成すれば、文学、学術、芸術など多彩な文化事象で高い水準を示した岩国が今に伝える遺産としての古典籍資料を総合的・俯瞰的に捉えることが可能になる。
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研究実績の概要 |
岩国市に伝存する和漢古典籍を悉皆調査して、古典籍の分類法に基づく総合目録を作成するという研究課題も、いよいよ最終段階になった。 2022年度までに、岩国市中央図書館、岩国徴古館、岩国学校教育資料館という岩国市が設置・運営する3施設に所蔵される近世後期から明治末頃までに出版・書写された和装の版本や写本について書誌的な調査を一通り終了した。 岩国市中央図書館については、館が作成したNDC番号に基づく配列で調査を行ったので、古典籍の分類法に従って配列し直す作業が必要であった。岩国徴古館の所蔵資料については、館が発行している2つの蔵書目録である『吉川家寄贈図書目録』と『岩国徴古館資料目録』に従って調査をしたが、分類はごく大まかなので、これも古典籍の分類法によって細かく分類し配列し直す必要があった。岩国学校教育資料館については、すでに2022年度末までに古典籍の分類法に基づいた分類目録の作成を終了している。 したがって、2023年度は、岩国市中央図書館所蔵の和装図書および岩国徴古館の蔵書の分類の見直しと配列の確定、そして、目録の版下となる原稿の作成が主な作業であった。分類の見直しと配列の確定はほぼ終えることができた。 目録は各施設ごとに作成するが、書名索引は全施設の蔵書を一括して検索できるようにする。それによって、各施設の蔵書の特色がわかりやすくなるとともに、施設間で共通する資料が所蔵されている場合は書名索引を見れば一目瞭然となる。そのため書名の読みの決定を慎重に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は研究期間の最終年度で、岩国市に伝存する和漢古典籍の総合目録の版下原稿を作成し、分類目録と総合書名索引を完成することが課題であった。 前年度までに、岩国市中央図書館、岩国徴古館、岩国学校教育資料館が所蔵する和漢古典籍の悉皆調査を終了し、岩国学校教育資料館の蔵書については分類目録の作成も終わった。今年度は、岩国市中央図書館の蔵書については、図書館が作成したNDC番号に基づく配列を改め、古典籍の分類法による配列に修正する作業が必要で、そのために分類の不明な資料については現物を見て内容を確認し、分類を決定するための再調査も必要であった。 また、岩国徴古館所蔵の古典籍についても、大まかな分類による元目録の配列で作成した調査データを古典籍の分類法に基づいて配列し直す作業が必要で、やはり分類のはっきりしない資料については現物を改めて閲覧して分類を確認することも必要とされていた。 当初の研究計画では、本年度は広島大学定年退職後の1年であるので、十分な作業時間がとれると予想していたのであるが、思いがけず二松学舎大学に再就職することになり、週の半分を自宅を離れ東京で過ごすという二重生活になって、作業時間もあまりとれず、現物確認のため現地に出かけることも困難になった。そのため、1年間では完成できず、研究期間の延長を申請するに至ったわけである。 それでも、この1年で、岩国市中央図書館の蔵書約1500点の目録については分類を改め配列を変更し、版下原稿の作成もほぼ半分を済ませることができた。岩国徴古館の目録については、点数が約3500点と多いため、分類配列の変更に時間を要し、データの原稿化はまだ3割程度というところである。しかし、少しずつだが作業は進行している。現物による確認は、現地に赴く機会が作れず、まだできていないので、2024年度には確実に行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
東広島の自宅と勤務地の東京とを行ったり来たりする慌ただしい生活は2024年度も同じなので、当初の予定通りの研究時間はとれそうにない。 しかしながら、再就職1年目であった2023年度は新しい生活や勤務形態に慣れず戸惑うことが多かったため、なかなか目録作成の作業に手が回らなかったのが実情であったが、2年目の2024年度は少しは日々の生活に余裕ができて、研究時間の確保も可能であろうと思う。 調査や書誌データの作成は2022年度末までに終えており、2023年度には分類の確定と配列の変更もほぼ終了したので、残すところは版下原稿の作成である。夏休みなどまとまった時間がとれそうな時期に集中的に作業を行い、また、分類の不確かな資料については現地に赴いて現物を見て確認するなども同時に行いたい。そのために岩国市に数日滞在しながら効率的に作業を行うことも検討する。 1年間の研究期間延長を認めていただいたので、研究の完成に向けて最大限の努力をしたい。
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