研究課題/領域番号 |
21K00285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 新見公立大学 |
研究代表者 |
原田 信之 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (60290508)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 祭事説明伝説 / ウンガミ / ウプウイミ / ジュールクニチ / マータンコー / シヌグ / シニュグ / ウンジャン / ミハチガツ / コソガナシ / 南西諸島 / 奄美諸島 / 沖縄諸島 / 宮古諸島 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、祭事説明伝説の分野に焦点をしぼって採集と研究を行い、南西諸島の口承文学研究を深化させることを目指す。令和3~6年度の期間内に、南西諸島各地に伝承されてきた祭事説明伝説を、奄美・沖縄・宮古・八重山の各文化圏で直接聞き取り調査して記録するとともに総合的に比較研究し、南西諸島における祭事説明伝説の特徴や意味を明らかにすることを目的とする。祭事の中核地となることが多いグスクやウタキの伝説についても重要事例を中心として調査研究し、関連文献の調査も行う。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、沖縄県の那覇市、大宜味村、伊江島、津堅島、伊計島、宮城島で祭事説明伝説に関する実地調査・文献調査を行った。調査は、コロナ禍の合間をぬって、第1回令和4年12月15-19日沖縄県立図書館、第2回12月22-27日沖縄県大宜味村・伊江島、第3回令和5年1月5-10日沖縄県津堅島・宮城島・伊計島の計3回行った(総計17日間)。概要は以下のとおり。大宜味村塩屋・屋古・田港で「ウンガミ」(来訪神祭系)の調査を実施した。2020-22年度はコロナ禍で村行事は中止されたが神人たちのお祈りは実施されたという。ウンガミは海の神や山の神に恵みを祈る村全体の行事だとされる。伊江島で「ウプウイミ」(来訪神祭系)の調査を実施した。1990年代以降約30年間実施されておらず実質的に廃絶祭事となっていた。廃絶理由はノロの不在。ウプウイミは島の人たちの健康願いで行われる。かつては8人のノロが馬に乗って城山に登ったという。伊江村、大宜味村での調査によると、ジュールクニチ(祖霊祭系)は旧正月16日の行事であの世の人たちのお正月なので御馳走をして位牌を拝む、サンガツサンニチ(悪霊祓祭系)は旧3月3日の行事で皆が浜に行って潮干狩りをしたとのことであった。津堅島で「マータンコー」(来訪神祭系)の調査を実施した。約20年前に復活したがコロナ禍のため3年間中止。マータンコーは、毎年旧11月14日に7頭を持つ魔物が海からきて人を食べるので、ある人(御蔵里之子説等)が7つの瓶に酒を入れて魔物を酔わせ退治したことに由来する祭事。祭事はシナファンリー(西の浜)、アーギンリー(東の浜)の2ヵ所で行う。伊計島・宮城島で「シヌグ」の調査を実施した。神人不在の現在では区長と書記の2名で行っている。シヌグは男だけが参加する男の祭りで、女性は参加できない。沖縄県立図書館などで関連資料を調査研究した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請時に記載した「研究目的」および「研究実施計画」では、令和4年度は、沖縄本島および周辺離島において祭事説明伝説に関する実地調査を行うこととしていた。令和4年度は、コロナ禍の合間をぬって、沖縄県の那覇市、大宜味村、伊江島、津堅島、伊計島、宮城島で実地調査を行い、さらに沖縄県立図書館等で文献調査を行った。ただし、沖縄地域はコロナ感染者が高止まりの状態が続いていたため、入島制限依頼があった周辺離島の粟国島・渡名喜島での調査は断念し、代わりに与勝諸島の伊計島、宮城島でシヌグの調査を実施した。その結果、本研究課題について、ほぼ当初の計画通りに進展し成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題についての今後の研究推進方策は、交付申請時に記載した「研究実施計画」のとおりに研究を進めてゆく予定である。令和5年度は、宮古諸島の宮古島、池間島、伊良部島、来間島などで祭事説明伝説に関する実地調査を行う。
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