研究課題/領域番号 |
21K00289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
大谷 節子 成城大学, 文芸学部, 教授 (90211797)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 謡 / 京観世五軒家 / 香道 / 歌道 / 探題 / 林喜右衛門家 / 素謡 / 京観世 / 謡本 / 門人録 / 謡講 / 能 |
研究開始時の研究の概要 |
1.近世前期から唯一現在に続く謡の家である林喜右衛門家所蔵資料の悉皆調査を行う。 2.林喜右衛門家所蔵資料、過去帳、墓碑を元に林喜右衛門家歴代の系図を作成する。 3.調査収集した林喜右衛門家資料を翻刻紹介し、林喜右衛門家歴代と謡の場を通じて交流のあった歌人、俳諧師、漢学者、書家、絵師との文化ネットワークを解明する。 4.各地に分散する林喜右衛門家を含む謡の家の調査、資料収集を行う。 5.謡の家の近代以降の動向を跡付けるために、全国紙、京都地方紙、能楽専門誌から林家の活動に関する記事を収集する。
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研究実績の概要 |
林喜右衛門家所蔵能楽資料の書誌調査及び撮影は、冊子体のものについてはほぼ終えることができた。撮影に時間のかかる一枚物、書翰、番組類を次年度に残すこととなったが、これらについては次年度内に調査撮影を行うことで、調査完了の目途を立てることができるものと思われる。 本年度は林喜右衛門家のみならず、謡の家々に伝わる能楽関係資料を用いて「謡文化の諸相」のテーマで研究会を持ち、林喜右衛門家と共に謡の家の一つであった浅野太左衛門家の八代当主栄足が「能楽」の語の提唱するに至った背景についての論「謡の礼楽思想―「正楽」か「淫楽」か―」をまとめ、その成果を『日本文学研究ジャーナル』28号(2023年12月刊)に掲載した。 また、「能の遊び」のテーマで行われた能楽フォーラム(能楽学会2024年度関西例会)において、林喜右衛門家所蔵の『謡歌探題』を紹介し、耳洗堂吉田愚子になるこの書物が、謡の初学者のために、既に歌道と香道の知識を身に付けていることを前提に考案された「遊び」であることに着目し、謡が近世において茶や香などの芸道と交差して享受されていた様相を示す例として、その具体的な遊び方について解読した。 さらに、謡の受容形態の一例として、謡の知識を用いて遊ぶ「謡双六」や「謡カルタ」の調査を行い、謡の知識を元にして描かれた戯画についての研究を進め、『能狂言戯画巻』についての考察を能楽学会の学会誌『能と狂言』21号に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査は概ね順調に進んでいるが、一枚物、書翰、番組の類は、整理と年代の特定に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
林喜右衛門家の歴史を辿るために必要な資料についての撮影を完了させ、林喜右衛門家の資料の全点調査を完了する予定である。
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