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日本古代の大学の学問に関する基礎的研究─9、10世紀の大学寮紀伝道を中心に─

研究課題

研究課題/領域番号 21K00305
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02010:日本文学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

滝川 幸司  大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (80309525)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード大学寮 / 文章経国 / 初唐 / 出典 / 和歌真名序 / 儒家 / 対句 / 阿衡 / 詔勅 / 勅答 / 申文 / 文体 / 紀伝道
研究開始時の研究の概要

平安時代の大学である大学寮の中でも、文学・歴史を学ぶ紀伝道が、貴族社会にどのような人物(官僚)を輩出したか、またその人物(官僚)たちが紀伝道で獲得した学問とはどのようなものであったかを、紀伝道出身者の官歴、及び紀伝道出身者が作成した文章から考察するものである。

研究実績の概要

本年度は書評を1本し、学術論文を1本刊行した。いずれも大学寮の理念に関わる研究の成果である。
「半谷芳文著『勅撰三漢詩集の研究』」(11月)は、半谷芳文著書の書評である。当該書は、書名の通り、凌雲集・文華秀麗集・経国集の勅撰三漢詩集の研究書であるが、本研究課題と関係の深い、「文章経国」思想を取り上げている。この点について、大学寮の理念と勅撰三集という編纂理念との別があることを指摘した。
「国を経め家を治むるに文より善きは莫し―漢文学より見た大学寮の理念―」(12月)は、大学寮の理念を示す公文書を注釈的に読解した。特に詔勅等の読解はこれまで行われておらず、初めて行われた注釈的読解といっていい。その結果、初唐の太宗・高宗の詔勅や、初唐の学校関係の文章を学び、それらに示された学校理念を継承していることを明らかにした。これまでの平安前期漢文学研究では、大学寮の理念についても、魏文帝のいう「文章経国」思想を踏まえたという指摘があったが、今回の検討によって、まったく異なっていることが明らかになった。魏文帝の「文章経国」の揚言があまりにも広い範囲で平安朝に影響を与えていたかのように考えられているが、大学寮の理念はそれとは別系統の思想であることを具体的に跡づけたのである。魏文帝の「文章経国」は詩文集編纂の理念として扱われており、それを幅広く適用することの危険性をさらに論じる必要があるが、それは24年度に行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

紀伝道の学問を具体的に示す、大学寮の詔勅に関する文章を取り上げて検討し、論文を公刊した。
紀伝道出身者のうち、古今和歌集に歌を残す歌よみについて検討を行った。次年度以降に論文化する予定である。
紀伝道出身者が執筆する詩序について、あらたな視点を獲得した。次年度、刊行予定である。

今後の研究の推進方策

次年度も今年度から引き続き、紀伝道出身者の学問について研究を進める。
魏文帝のいう「文章経国」思想の具体的展開について考察を進める予定である。
また同様に、紀伝道出身者の官僚世界での位置づけに関わる儒家の伝記研究を進める。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 国を経め家を治むるに文より善きは莫し―漢文学より見た大学寮の理念―2023

    • 著者名/発表者名
      滝川幸司
    • 雑誌名

      国語国文

      巻: 92 ページ: 1-19

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 千穎集序をめぐって2022

    • 著者名/発表者名
      滝川 幸司
    • 雑誌名

      詞林

      巻: 72 ページ: 1-21

    • DOI

      10.18910/89245

    • ISSN
      09139338
    • 年月日
      2022-10-20
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 発心和歌集序試読─選子内親王作者説をめぐって─2022

    • 著者名/発表者名
      滝川幸司
    • 雑誌名

      中古文学

      巻: 109 ページ: 85-99

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 申文の文体一つ─「望請」するのは何か─2022

    • 著者名/発表者名
      滝川幸司
    • 雑誌名

      女子大國文

      巻: 170 ページ: 1-22

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 阿衡の勅答について2021

    • 著者名/発表者名
      滝川幸司
    • 雑誌名

      国語国文

      巻: 90-10 ページ: 1-22

    • NAID

      40022745040

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 詔勅の文章について─阿衡の詔勅・勅答をめぐって─2021

    • 著者名/発表者名
      滝川幸司
    • 学会等名
      第65回国際東方学者会議S
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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