研究課題/領域番号 |
21K00307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 広島大学 (2023) 愛媛大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
太田 亨 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (80370021)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 義堂周信 / 空華集 / 新撰貞和分類古今尊宿偈頌集 / 重刊貞和類聚祖苑聯芳集 / 偈頌 / 五山文学 / 文学観 |
研究開始時の研究の概要 |
義堂周信(1325―1388)の詩文集『空華集』所収の全作品を読解・訳注し、その生涯と文学営為について解明するという全体構想がある。解明する過程に於いて、義堂が関係する人物とどのような関係を築いていたのか、どのような文学観を有していたのかについて、その一端を明らかにする。
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研究成果の概要 |
義堂周信の詩文集『空華集』の訳注を通じて、義堂と交流があった禅僧の経歴・義堂との関係等を明らかにし、義堂が関東に赴いた際の心境や周りの状況を読解・理解することができた。また義堂周信の文学観として、生涯をかけて偈頌の選集に取り組んだことを追究した。若くして編んだ『新撰貞和分類古今尊宿偈頌集』と、臨終の間際に完成させた『重刊貞和類聚祖苑聯芳集』について、両書の書誌、両書の関係等を調査し、結果、分類の多様化・律詩の増加・日本で詠まれた偈頌の増加といった相違点が見られた。そこには若年僧に対する教育的配慮が存すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで義堂周信は、禅林における一般的詩文の習得を推進し、宗旨重視の風潮を緩和した人物として評されてきた。しかし、実際には宗旨を含んだ偈頌を重視し、その総集を編纂することに生涯をかけていた。また、自身が詠んだ詩文についても、表面上は一般的詩文と変わらないが、精査すると宗旨的要素を含んでいる場合が多いことが分かった。以上のことから、従来の義堂像を新たに構築し直す必要があると言えよう。そのためには、『空華集』を引き続き丁寧に読解していくしかないと思われる。
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