研究課題/領域番号 |
21K00311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
間宮 厚司 法政大学, 文学部, 教授 (30199913)
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研究分担者 |
URBANOVA JANA 法政大学, 経営学部, 准教授 (00836554)
福 寛美 法政大学, その他部局等, 講師 (10815260)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 琉歌 / 和歌 / 冬 / オボツ・カグラ / オボツ・カグラの語源 / オボツとオモト / 琉歌の「天」 / 琉球の古典語 / 上代東国方言 / おもろさうし / 先端研究 |
研究開始時の研究の概要 |
琉球の神歌集、『おもろさうし』は17世紀に最終編纂された。そのオモロ(神歌)は、従来、古代的な歌謡といわれてきた。しかし、オモロが作られ、うたわれた時期は、琉球に巨大なグスクが造営され、交易で賑わっていた時期である。そのような現実とオモロがつながっていることを明らかにし、オモロが古代的なものではなく、うたわれたウタだったことを明瞭に示したい。 また、琉球のウタの琉歌は、従来はオモロから生成した、と言われていた。しかし、琉歌は日本の和歌の影響を強く受けている。そのことも明瞭に示したい。 従来の琉球文学をめぐる定説を覆し、最先端の研究を提示したい。
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研究実績の概要 |
2023年度は、コロナ禍は弱まったものの、沖縄での調査は思うように進まず、我々3名の研究グループは、Zoomミーティングや研究室会議を行う形で、研究を進めた。その結果、2023年12月24日(木)の14:00~16:00に法政大学沖縄文化研究所主催の公開講演会(Zoomにて配信)を下記の内容で開催した。 公開講演会:「琉歌の冬をめぐって―沖縄の気候の観点から和歌の影響を考える―」 後援者:ヤナ・ウルバノヴァー 14:00~14:05 司会 大里知子 14:05~14:55 講演 ヤナ・ウルバノヴァー 14:55~15:00 休憩 15:00~15:30 コメント 間宮厚司・福寛美 15:30~16:00 質疑応答 そして、講演の内容、は以下の通りである。 亜熱帯地方の沖縄には四季がない。しかし、長く暑い夏と、短く肌寒い程度の冬はある。そんな短い冬にも関わらず、冬に関連する自然現象が沖縄の叙情歌である琉歌に広く詠み込まれている。理由のひとつには、和歌を学び、江戸立ちした琉球士族の知識や彼らが実際に経験した日本本土の冬が琉歌に反映されたことが考えられる。しかし、琉歌のなかに数多く見られる「冬」やその関連表現が、その意味や表している雰囲気において、和歌とまったく同じであるとは限らない。本研究では、琉歌における「冬」「雪」「霜」「霞」等に注目し、和歌と共に沖縄の気候や言葉などがそれらの表現のニュアンスにどのような影響を与えたかについて考察を進め、琉歌の独自性や魅力を考えていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メンバー3名の学会発表・講演・論文・著書(別のところに列挙してある)は、研究課題名である「琉球文学の先端的研究―『おもろさうし』と琉歌の再定義―」にふさわしい内容になっている。 ただし、コロナ禍があったため、沖縄での調査は、遅れているので、この点を今後はさらに進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
これまで公開講演会をメンバー3人で行ってきた。講演は福寛美、ヤナ・ウルバノヴァーが行い、他の二人はコメントを行った。2024年度は12月に間宮厚司が講演を行う予定である。それから、コロナ禍のため、沖縄での現地調査がはばかられたので、その調査も進めたい。 さらに、先端的研究の書籍化が進んでいる。
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