研究課題/領域番号 |
21K00321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
大橋 賢一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20451453)
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研究分担者 |
加固 理一郎 文教大学, 文学部, 教授 (20241755)
谷口 匡 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20244767)
谷口 真由実 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 教授 (30217137)
高橋 未来 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (30781603)
坂口 三樹 文教大学, 文学部, 教授 (90279612)
樋口 泰裕 文教大学, 文学部, 教授 (90382473)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 唐代文学 / 杜甫 / 散文 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、杜甫の全散文を現代日本語に翻訳し、詳細な注を加えることによって杜甫研究の基盤を形成することを目的とする。本研究によって、従来看過されてきた杜甫の詩と「全散文(賦も含む、以下「散文」と称する場合はすべで同様)」との関連性が明らかになり、杜甫文学を総合的に解明することが期待される。また、この研究によって唐代の文学を代表する杜甫の語感をより明確にできることなど、様々な研究が推進されると期待される。
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研究実績の概要 |
本年度は以下に示す通り研究検討会を行った(いずれもZoomによる)。小田健太「秋述」(2022.04.24)、谷口匡「東西両川説」(2022.05.28、07.02)、高橋未来「為華州郭使君進滅殘寇形勢圖状」(2022.09.03、10.01)、冨山敦史「唐故范陽太君盧氏墓誌」(2022.11.27、01.22)、三上英司「唐故萬年縣君京兆杜氏墓誌」(2023.02.1、03.26)。 回数にして9回、合計5名の会員の発表が行われた。いずれの会合も13時から16時すぎまで検討が行われた。あらかじめ発表者は原稿を用意し、それを研究代表者の大橋が、事前にGoogleドキュメントにあげて、会員各自が批正をしたうえで会に臨むようにしたため、時間を効率的に使うことができるように工夫した。 また、Zoomの遠隔システムを利用したとこにより出張費用の大幅な軽減化がはかられるとともに、参加者も毎回多数集めることができた。 各研究会においては、活発な議論がなされ、質疑に基づき、担当者の発表が二回に亘る場合には翌月の発表にさきだち改稿原稿を提出し、訳出の精度を高めるように努めた。 加えて、これまでの訳注を学術誌・紀要などに投稿し、研究結果を公にもできている。具体的には、大橋賢一「杜甫「画馬讃」訳注」(『中国文化』80、2022)、谷口匡「杜甫「東西両川説」訳注」(『杜甫研究年報』6、2023)、高橋未来「杜甫「為華州郭使君進滅残寇形勢図状」訳注」(『中国学志』37、2023)、加固理一郎「杜甫「為■(門+良)州王使君進論巴蜀安危表」訳注」(『文教大学国文』52、2023)、谷口眞由実「杜甫「鵰賦」(鵰の賦)訳注(二)(『杜甫研究年報』6、2023)の以上五篇である。こうした活動を通して、広く本会の成果を伝えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、おおむね順調に研究が進展していると判断できる。上述したように、年間9回の発表会を行っただけでなく、五本の訳注を公にすることができたからである。 本研究会のまとめによれば、杜甫の散文は全部で29篇に及ぶが、そのうち、これまで19篇の検討がすでに行われている。また、そのうち学術雑誌に公表したものは、15篇に及んでいる。以上のように、本数としての進捗状況はおおむね順調と判断できるのであるが、ただ、いわゆる、杜甫の「三大礼賦」、すなわち「朝獻太清宮賦」「朝享太廟賦」「有事于南郊賦」の三篇については、研究期間内に読了、及び学術誌などに公にすることが困難であることが現時点で予想された。そのため、これまでの方針を変更して、本研究では、賦を除いた杜甫の散文をひとまずは公にすることにし、残された二年の研究期間で、この目標を達成させられるように鋭意努力することにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究方針としては、これまで通り、月例で研究会を行い、引き続き杜甫の散文を検討することを基本とする。今年度予定としては、三上英司「唐故萬年縣君京兆杜氏墓誌」(2023. 04.23、05.21)を予定しており、その後、宇賀神による「祭遠祖當陽君文」を検討する予定である。また、論文として発表済みである、谷口眞由実「奉謝口勅放三司推問状」などについても、会として検討を行うことを予定している。 また、本年度、北海道教育大学旭川校で開催予定(9月2日土曜日)の日本杜甫学会大会において、本研究会主催のシンポジウムを行う予定である。現在のところ、「杜甫の散文について」と題し、総合司会、及び三人のパネリストを会員から募って開催する運びとなっている。このシンポジウムを通して、本研究会の成果をより広く周知するとともに、社会に還元する予定である。
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