研究課題/領域番号 |
21K00351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
松本 靖彦 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 教授 (10343568)
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研究分担者 |
福島 祥一郎 同志社女子大学, 表象文化学部, 准教授 (10600455)
橋野 朋子 (石井朋子) 関西外国語大学, 英語国際学部, 准教授 (40388476)
渡部 智也 福岡大学, 人文学部, 准教授 (80612845)
岡本 晃幸 藤女子大学, 文学部, 准教授 (80755687)
西山 けい子 関西学院大学, 文学部, 教授 (90298737)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | チャールズ・ディケンズ / エドガー・アラン・ポー / 推理 / 風刺 / 革命 / 都市 / 心霊主義 / ユーモア / 群衆 / 無気味さ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ディケンズとポーの作品(書簡・書評を含む)を、①幽霊譚と怪奇趣味 ②無気味さとユーモア ③風刺と文芸批評 ④都市と雑誌文学 ⑤探偵と書評 ⑥革命(暴動)と群衆表象、という6つの観点から比較し、相互対照によって明らかになる両者の文学と思想の特質を再発見することを目的とした、それぞれの作家の専門家混成チームによる、国際的にも類を見ない協同研究プロジェクトである。多角的な観点からの相互比較によって際立つディケンズとポーそれぞれの文学・思想の特質を炙り出し、いずれか単独の作家研究によってはこれまで指摘されることのなかった両者の接点や共通点を発見したい。
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研究実績の概要 |
本研究では、第3年度にあたる2023(令和5)年度において、次の6つの分野に関して、下記のような目標を設定していた。 ①幽霊譚と怪奇趣味(橋野朋子・関西外国語大学)②無気味さとユーモア(西山けい子・関西学院大学)③風刺と文芸批評(福島祥一郎・同志社女子大学)④都市と雑誌文学(松本靖彦・東京理科大学)⑤探偵と書評(渡部智也・福岡大学)⑥革命(暴動)と群衆表象(岡本晃幸・藤女子大学) 「第3段階(2023年度):両作家(ディケンズとポー)に影響を与えた政治・社会的背景にも目配りしつつ、それまでの研究成果を総括し、その内容を共著として発表する準備をする」(研究計画調書より)。 本年度も前年度同様、各研究組織構成員がそれぞれの担当分野での調査・研究活動を継続して遂行した。当初、最終年度となるはずであった本年度は、共著の基となる原稿の作成を見据えながら、各分野の調査・考察の成果を共有・分析し、そこから浮かび上がる共通項を指摘し合い、総括的な考察・分析を進める予定であった。しかしながら、研究組織構成員によっては本研究に十分なエフォートを投じることができず、全員が参集しての研究会は一度しか実現せず(2023年7月31日)、総括的な議論を深めるところまで今一歩到達できなかった。 それでも、本年度の研究においては次のような成果を得ることができた。1.研究組織各構成員が専門外の作家についての基礎的資料を探査し、知見を深めることができた。2.1.で得られた知見ならびに研究会で出た指摘をもとに、それぞれの論考に新たな修正・加筆を加えることができた。3.構想中の著書の終章となる予定の論考を作成した(西山けい子)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究においては、年度ごとの到達目標を設定している。 2023年度は6つの研究分野を総括する仕上げの考察を展開する予定であったが、当年度は前年度遂行しきれなかった部分(6つの研究分野を関連づけ、それらにまたがる考察を深める)を、いわば前年度からの宿題として抱えており、前年度に生じた研究活動の遅れを取り戻しつつ、当年度に計画していた通り、各分野の研究成果から包括的な視点を抽出、ないしは構築することを目指した。 しかしながら、当該年度は研究組織構成員によっては各所属研究機関における校務および学外での業務が、役職、職掌上、多忙を極めてしまい、本研究課題に関わる研究活動を思うように遂行することができなかった。当初、2回を予定していた全員参加の研究会(zoomによる)は上半期に一度しか開催できなかったが、それ以前に各研究組織構成員個々のレベルでも研究遂行に一段の困難が生じた年度となった。そのため、全員での協議を経て、研究期間の1年間延長を申請し、承認を得た次第である。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間延長によって最終年度となった本年度(2024年度)は以下の方針で研究を継続、遂行する所存である。 当初から、本研究においては、その総括的な成果を共著としてまとめることを考えていた。既に(2023年5月現在)各研究分野担当の研究組織構成員による過去3年度分の研究成果は、日本語による8点の論考に粗方まとまっているので、本年度の研究は主に、それらの論考の内容を土台として、全研究組織構成員で議論を密にし、訂正や追補が必要な部分について適宜調査、考察を行うという形で研究活動を展開していきたい。本研究の主眼は研究活動の遂行にあり、出版事業ではないが、これまでの自分たちの研究成果を綿密に記録した文書がある以上、それを基に議論することが、同研究を最も効率的に遂行し、最終年度に相応しい統括的な視点・知見をもたらし得る最善の方策と考える。 具体的には以下のような年間スケジュールとして以下のような流れを想定している。 上半期:各自で上述の8点の論考を熟読、内容を吟味し、問題点を抽出。全員参加の研究会を開催し(7月~9月のどこかで、対面あるいはzoomによる)、全員で問題点への対応、その他改善点を議論する。 下半期:上半期の研究会で得られた指摘を基に各自で研究活動(調査・考察・分析)を遂行する。その間もメーリング・リストを通じて全研究組織構成員間での議論を継続する。1月~3月のどこかで2回目の研究会(zoomによる)を開催し、年度末の総括的な議論を行う。
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