研究課題/領域番号 |
21K00358
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
坂井 隆 福岡大学, 人文学部, 准教授 (90438317)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 能楽 / 具体美術協会 / イエロー・フェイス・パフォーマンス / 別役実 / 冷戦期文化外交 / ジャクソン・ポロック / 『欲望という名の電車』日本初演 / 杉村春子 / 花柳章太郎 / 初代水谷八重子 / 新派 / ブロードウェイ・ミュージカルにおける振付とダンス / テネシー・ウィリアムズ / 歌舞伎の女方 / 三島由紀夫 / 六代目中村歌右衛門 / アメリカ演劇 / 日本演劇 / インターカルチュラリズム / 文化的受容 |
研究開始時の研究の概要 |
アメリカの劇作家Tennessee Williamsの作品を、「日本とのインターカルチャー的対話」の成果として、つまり、「日本演劇からWilliamsへの影響」と「Williamsから日本演劇(界)への影響」という2つの点から検証し、さらに「その相互影響を日本と(英)米演劇の交流史の中に(再)文脈化する」ことも目指す
|
研究実績の概要 |
当初の計画では、最終年度に相当する2023年度は、総括的研究(Williamsと日本演劇との関係を日本と英米演劇の交流史の中に再文脈化するための調査)を行う予定であった。しかし、これまでの調査の過程で新たに取り組むべき複数の課題が明らかになったため、予定を変更し、総括の作業ではなく、それらの研究課題、具体的には、①「Williamsの「能」の理解」、②「日本の前衛芸術集団「具体美術協会」(通称、具体)の影響」、③「1950年代ハリウッド映画における白人男性俳優による「日本人」擬態」、④「日本の不条理演劇の騎手別役実によるWilliams受容」に取り組んだ。①から③に関しては研究が進展し、その成果を、2024年3月10日に開催された国際ワークショップ(Workshop in Kitakyushu: U.S. Fiction and the Cold War)の場で口頭発表した。発表題目は"Hystericizing Noh Drama: Tennessee Williams's "Queer" Encounters with Cold War Japan"である。Williamsが「能」の影響を受けて書いた戯曲The Day on Which a Man Dies (1960)を扱い、冷戦期アメリカによる文化外交(対東南アジア)を背景にして彼がその一幕劇を通して構築した三島由紀夫、「具体」(特に村上三郎)、そしてJackson Pollockとのネットワークを検証した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成果としては国際ワークショップでの口頭発表1件のみであったが、その研究発表において新たな研究課題の多くを検証でき、他のパネリストや参加者たちから論文化に向けての貴重なフィードバックも得ることができた。よって「おおむね順調に進展している」と評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、国際ワークショップでの口頭発表用原稿を論文化することに力を注ぎたい。アメリカの査読付きジャーナルに投稿することを予定しているので、執筆とそれに伴う追加の調査に多くの時間を割くことになると思われる。その過程で国外の図書館(モルガン・ライブラリー)でのアーカイブ調査が必要になるかもしれないので、ニューヨーク出張も考えている。ただし、校務の関係で出張が難しい場合は、オンライン資料や、資料の複写の取り寄せ制度などを利用して調査を進めたい。
|