研究課題/領域番号 |
21K00378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
井野崎 千代子 京都先端科学大学, 全学共通教育機構, 嘱託講師 (20213192)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | Anselm / conscience / 聖人伝 / Ancrene Wisse / 11世紀英国 / 12世紀英国 / Meditatione / アンセルム / 初期中世英文学 / 托鉢修道会 / 中世英文学 / 中世思想 |
研究開始時の研究の概要 |
中世英文学と言えば、チョーサーの『カンタベリー物語』を思い浮かべる方は多いでしょう。それより100年も前のイングランドの書物に、罪の意識を感じるconscienceという英語が初めて現れたと聞けば、驚きとともに興味が湧いてきませんか。その英語が現れる更に100年前、12世紀ルネサンスという学問の興隆がヨーロッパ全体で見られ意識の大変革が起こり、その流れが罪の意識を感じる'conscience'という語彙の導入を招いたと考えられます。その背景にアンセルムスの思想の影響があるとされていますが、英文学への影響の研究はこれまで不十分であり、本研究はconscienceに焦点を当て関連性を検証します。
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研究実績の概要 |
2023年4月から2024年3月までは、アンセルムの作品を読み進めることに注力した。彼の手紙3巻を読み、conscienceについて調査を行った。また、エドマーというアンセルムの弟子のような修道僧が Vita S. Anselmi というアンセルムの伝記を書いていることを知り、その中に表されているconscienceについて調査した。これによって、アンセルムの「聖人性」に注目し、彼のconscienceについて考察する上で重要と考え、エドマーによる他の「聖人伝」を3冊読み進めた。その結果、それまでアンセルムの「聖人性」が研究対象として扱われてこなかったことについて提議するため、2024年5月に米国ミシガン州ウェスタン・ミシガン大学における第59回 International Congress on Medieval Studies へ発表応募し、10月受諾を得た。また、アンセルムのmeditationeにおける祈りの対象の多様性について、2024年7月英国リーズ大学における International Medieval Congress へ発表応募し、11月受諾された。これら二つの海外発表の原稿をまとめる準備をした。広島大学英語研究会の月例会や、日本英語英文学会全国大会、日本英語英文学会西支部例会で、他の研究者の発表を拝聴しながら勉強させていただいている。
また、科研費のおかげで、2023年7月3日から6日まで開催された英国リーズ大学における International Medieval Congressに初めてオブザーブ参加することができた。全日程の発表をできるだけ見聞させていただけたことによって、海外における学会発表の方法など学ぶことができ、2024年の米国、英国、両地における学会発表のため大変参考になった。この学会参加は広島大学英語研究会10月例会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目2年目のパンデミックの影響で、多くの学会が中止となり、学会発表や学会参加ができなかったため、なかなか自分の研究状況を客観的に見ることが難しかった。しかしながら、科研費のおかげで購入できた著書をじっくり読むことができ、新たな視点を得ることができた。研究計画を提出した時には全く考えていなかった点に気づくことができ、改めて進む方向を調整しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
2023年は作品を読むことに時間を費やすことができた。2024年は5月に米国ミシガン州ウェスタン・ミシガン大学における International Congress on Medieval Studiesと、7月に英国リーズ大学における International Medieval Congress と、 二つの海外発表が予定されているので、その準備をするのがまずは大きな課題である。それらの学会発表後、研究者の方々の意見を頂きながら、それらの発表を論文にまとめていきたいと考えている。
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