研究課題/領域番号 |
21K00380
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
地村 彰之 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 名誉教授 (00131409)
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研究分担者 |
中尾 佳行 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 名誉教授 (10136153)
佐藤 健一 滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 教授 (30284219)
大野 英志 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (80299271)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | チョーサー / 『カンタベリー物語』 / コンピュータ / 写本 / 初期近代英語 / 印刷本 / 計量的比較 / ジェフリー・チョーサー / ヘングウルト写本 / エルズミア写本 / 初期近代英語期印刷本 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ジェフリー・チョーサーの写本と刊本の言語について、コンピュータを利用し、その英語の語彙・統語・文体を総合的に研究し、チョーサー『カンタベリー物語』の textual criticismに貢献することである。キャクストン版(c 1476; c1482)以後に出版された印刷本と写本との間に生じた異同の問題を取り上げる。キャクストン版がピンソン版 (1492) とドゥ・ウォード版 (1498) へと継承される。さらに、ウィリアム・シン版からトマス・スペート版をテクスト比較の対象とする。本研究は、『カンタベリー物語』におけるテクストの伝達と継承の問題を実証的に探究する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ジェフリ・チョーサー写本と刊本の言語について、コンピュータを利用し、その英語の語彙・統語・文体を総合的に研究し、チョーサーのtextual criticismに貢献することにある。 本研究では、すでに成果を出したCaxton版『カンタベリー物語』[初版(c.1476)(Cx1)と第2版(c.1482)(Cx2)]に加えて、キャクストン以後の重要な印刷本であるPynson版(1492)とWynkyn de Worde版(1498)と他の写本やテクストとの間に生じた異同の問題を取り上げている。Hengwrt(ヘングウルト)写本とEllesmere(エルズミア)写本は『カンタベリー物語』の代表的写本であるが、印刷本としては、キャクストン版に次いで15世紀後期に作成されたPynson版(1492)とWynkyn de Worde版(1498)は重要なものである。ここで16世紀と17世紀の印刷本を加えて、どのように英語の標準化の過程に大きく関わっているかについても研究の対象にしている。本研究は、今日までのテクストの伝達と継承の問題を考えるための基盤的研究である。 特に、今回はThynne版(1532)以後の印刷本Speght第1版(1598)、第2版(1602)、第3版(1687)のデータ入力をしている。『カンタベリー物語』の代表的写本と初期近代英語期印刷本と今日用いられている刊本とが容易に比較できるように、パソコン上でのテクスト処理の第一段階に達している。つまり、Hengwrt写本、Ellesmere写本、Blake版、Benson版、Caxton版[初版(Cx1)]、Caxton版[第2版(Cx2)]、Pynson版、Wynkyn de Worde、Thynne版、Speght版を縦軸に並べて一目で共通点と相違点が把握できるデータの作成を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
16世紀後半から17世紀の印刷本Speght版(1598, 1602, 1687)のデータ入力をすすめた。『カンタベリー物語』の代表的写本と初期近代英語期印刷本と今日用いられている刊本とが容易に比較できるように、パソコン上でのテクスト処理の第一段階に達することを目指した。Hengwrt写本、Ellesmere写本、Blake版、Benson版、Caxton版[初版(Cx1)]、Caxton版[第2版(Cx2)]、Pynson版、Wynkyn de Worde版、Thynne版、Speght版を縦軸に並べて一目で共通点と相違点が把握できるデータの作成を始めたからである。2021年度はテクスト入力作業の初めとしては順調に滑り出したかに思われた。しかし、入力するテクストが多いので全テクスト入力までにはまだ可成りの時間がかかるため、2022年度は全体を見渡してみるとやや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
計量統計学の専門家である研究分担者佐藤健一氏によって、各テクストを2次元上で分析(Cmdscale)したり、各テキストの距離をクラスター分析(hclust)する統計解析のノウハウを提供してもらっている。言語統計解析を加えることによって、今まで以上に客観的な分析を進めていくことになる。データ入力については、中尾佳行氏、大野英志氏とともに総合的に進めていく予定である。特に、印刷本の文字において現代英語の文字にないものについては、入力文字に異同がないように細心の注意を払うことにする。
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