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キプリングが描く「病い」の検証―大英帝国崩壊前後における不安の表象研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00400
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
研究機関東京理科大学

研究代表者

松本 和子  東京理科大学, 教養教育研究院葛飾キャンパス教養部, 教授 (90385542)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードキプリング / 帝国主義 / 病い / 英文学
研究開始時の研究の概要

キプリングの作品に多数の病いが登場することはほとんど知られていない。本研究はこの事実を提示した上で、何がキプリングを病いの描写へと駆り立てたのかを、時代相を踏まえて解明することを目的とする。研究の基盤となる全体構想は、大英帝国崩壊期前後に社会に蔓延した不安が同時期の小説にいかに表象されているかの検証にあり、本研究においては、キプリングが描く病いに不安の表象としての意味付けを行うことを目指す。

研究成果の概要

本研究は、従来のキプリング研究において十分に注目されてこなかった作中の「病い」に焦点を当て、キプリングが「病い」を頻繁に作中に登場させた理由を時代相を踏まえて考察することを目的に構想された。全執筆期を視野に入れた包括的研究スタイルによって得た考察は、帝国主義全盛期と重なる著作活動初期には外的要因による病いを多く描いていたキプリングが、帝国主義に影が差し大英帝国の衰退が始まる時期にあたる中期以降、精神的要因による病いを多く描くようになった変遷を裏付けとし、キプリングにとって「病い」を描く行為は公人として抑圧を強いられた大英帝国崩壊への不安の表出である可能性を強力に示唆するにいたった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

キプリングの作中に描かれた「病い」を通して帝国主義に対するキプリングの懐疑的な眼差しと帝国主義に下支えされた大英帝国崩壊の不安を明らかにした本研究は、1960年代半ばに機運が高まったキプリング再評価の重要なミッションである「帝国主義者」のレッテルをキプリングから剥がす動きを加速化し得る点に学術的意義がある。
社会的意義としては、繁栄を誇るの当時のイギリスにおいて政治的・経済的基盤となる帝国主義の限界を察知しながらも帝国主義の牽引役としての役割を果たしたキプリング像を浮き彫りにしたことにより、時代と国家の強力な圧力に対峙した一知識人の事例を提示した点に意義が求められる。

報告書

(4件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「王になろうとした男」における初期のキプリング像2023

    • 著者名/発表者名
      松本和子
    • 雑誌名

      東京理科大学教養教育研究院紀要

      巻: 1 ページ: 112-125

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] "The Man Who Would Be King"から読み解くキプリングとコンラッドの距離2022

    • 著者名/発表者名
      松本和子
    • 学会等名
      キプリング協会全国大会第22回
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2025-01-30  

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