研究課題/領域番号 |
21K00406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東北文教大学 |
研究代表者 |
阿部 裕美 (今井裕美) 東北文教大学, 人間科学部, 教授 (10248726)
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研究分担者 |
佐藤 恵 東北福祉大学, 教育学部, 准教授 (50341730)
梶 理和子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (60299790)
川田 潤 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70323186)
吉田 直希 成城大学, 文芸学部, 教授 (90261396)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 感受性 / 感覚/感性 / 肉体・精神・魂の関係性 / 科学言説 / 宗教言説 / ジェンダー構造 / スコットランド / 感覚 / 感性 / 商業社会 / 美学 |
研究開始時の研究の概要 |
1990年代以降、<感受性>の研究は、医学言説を踏まえ、身体との関係性に焦点を当てて行われてきたが、本研究は、共同体における個人(間)の<感受性>の役割という観点から、近代商業社会における「美学」の問題に結びつけて議論する。具体的には、以下の3点から、<感受性>の再検討を行う。商業社会の進展を背景にした経済、軍事、科学、「美学」言説など諸言説において、① 肉体と精神の関係性の再定義の過程を確認し、② 感覚/感性がもつ意味の変容と多様化の過程を明らかにしつつ、③新たな価値観のもとで「文学」が果たす新たな機能と「美学」の関係に注目して、<感受性>の新たな意味を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題の中間年度にあたる2022年度においては、全体としては、近代商業社会における<感受性>の問題が美意識、共感、理性などと結びつき、新たな価値観の形成過程で果たしていた役割を具体的に検討した。商業社会と感受性の関係性を精査し、17世紀後半から19世紀初頭まで長期に亘って続く、認識/意識の変化とそれに伴う新しい社会構造の基盤について具体的なテクストと「感受性研究」の理論的位置づけを再検討し、変容する社会構造・価値判断基準において感受性が果たした「新たな」役割を明らかにした。 個別の研究としては、(1)従来、1680年前後から顕在化したとされる国王と議会の宗教的、政治的不和が1670年以前にすでに問題化していたことを、Aphra Behnの初期の悲喜劇において検証、(2)長い18世紀イギリス文学におけるホイッグ主義の表象について、Steele, Gay, Fielding, Cleland, Sterneの作品分析を通じて、その歴史的意義を考察、(3)長い18世紀における蒐集という形で現れる個人の欲望が国家のアイデンティティ、商業国家・帝国の形成とどのように関係していたかの分析、(4)商業主義の発展に伴う物質的な改善・発展と感性の洗練や鍛錬との呼応をスコットランド系定期刊行物の中で考察、(5)18世紀半ば以降の演劇とスコットランド・バラッドとの関係性を探り、国家のアイデンティティ形成においてスコットランド的なるものが果たした役割を考察、を各分担者が行い、意見交換を行うことで、それぞれの研究の重なりあいと、時代に伴う変遷の過程を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者間での若干の進捗状況の差があるものの全体的な成果としては順調と判断できるものである。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2023年度においては、以下の内容に従って研究活動の完了を目指す。 過去2年間の成果をまとめた上で、商業社会と感受性の関係性を精査し、17世紀後半から19世紀初頭まで長期に亘って続く、認識/意識の変化とそれに伴う新しい社会構造の基盤について再検討する。それによって、変容する社会構造・価値判断基準において感受性が果たした新たな役割を明らかし、そのような成果を踏まえ、「美学」言説をめぐり、18世紀後半から19世紀初頭の文学と社会の関係性に対する問題意識(社会変動が激しい時代の人間性の回復における文学の役割)が、現在という地点において、どのように継承され/断続しているのかも明らかにする。
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