研究課題/領域番号 |
21K00420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
Pekar Thomas 学習院大学, 文学部, 教授 (70337905)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 亡命 / 亡命文学 / ジャポニズム / 文化接触 / 移民文学 / 移民 / 東アジア受容 / トランジット移住 / 記憶政治 / 亡命研究 / ユダヤ人亡命 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、過去の歴史的出来事となった東アジアへのユダヤ人亡命(1933-1948年)を新概念「トランジット移住」を適用し解釈することである。本概念を活用することにより、特に、ナチスドイツ内の上海移住喧伝と現実の亡命経験の差異や、戦後間もなく1948年には、上海に移住したユダヤ人は中国政治の決定により上海から退去せざるを得ず、更なる移住先が日本であった事例が認められる点など、その複雑なプロセスを分析することが可能となる。これまでの亡命研究との大きな違いは、本概念を用いることにより、出発国から目的地までの単純な移動と考えられていた亡命を、目的地に至るまでの複雑なプロセスとして分析する点である。
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研究実績の概要 |
1)「トランジット移住」の地としての日本へのユダヤ人亡命研究として、日本でのみ出版された元NHK交響楽団の指揮者Joseph Rosenstock(1895-1985)の自伝をドイツ語に翻訳し、広範囲に渡る注釈、解説を加える作業を、演劇・音楽研究者Ralf Eisinger氏、学習院大学博士課程の赤塚愛氏の協働で進め完成させた。OAGの資金援助のもと、ミュンヘンの出版社Iudicium-Verlagからの出版準備を進めている。また、昭和音楽大学の酒井健太郎教授と協働し、2024年3月31日にシンポジウム「アジア・太平洋戦争期の滞日ドイツ人音楽家:その活動と日本音楽界への影響」を開催した。 2) 昨年度の報告にも記した通り、グラーツ/オーストリアで開催されるIVG(国際ゲルマニスト学会)2025にて、トランジット移住と、日本が西洋でどのように認識され、表現されているかという問題を結びつけた「東アジアの言説セクション」を設ける。そのために、Christine Frank教授(Berlin自由大学)、Philippe Wellnitz教授(モンペリエ第3大学)と共同で準備を継続している。また、ICLA(国際比較文学協会)の研究論集「文学におけるジャポニズムとポスト・ジャポニスム」のためにも、Wien大学の日本学研究者らや、前みち子教授(Dusseldorf大学)との共同研究を続けている。 3) トランジット移住の理論に関する成果としては、亡命者であったトーマス・マンについて2つの論文を発表した。また、過去の口頭発表から論文「亡命と移住の文学におけるトランジット経験」を出版し、トランジット経験をエキゾチシズムの文脈で検討し、「異世界」に開かれたハイブリッドなアイデンティティを生み出す試みとして考察した。これらはインゲボルク・バッハマンに関する口頭発表ならびに論文においても論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ローゼンシュトックの自伝に関する作業は終了した。トランジット移住に関しては、IVG(国際ゲルマニスト学会)での「東アジアの言説セクション」のための準備をを継続している。また新たに「文学におけるジャポニズムとポスト・ジャポニスム」に関する研究論集をまとめることになり、申請時の研究計画に追加し、新たな展開ができることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2024 年の夏に開催されるASCJ(Asian Studies Conference Japan)にて、ローゼンストックならびにローゼンシュトック自伝について講演する。また、IVG(国際ゲルマニスト学会)2025での東アジアの言説セクションの準備作業、ならびにICLAの研究論集に関する共同作業を継続する。これらの場でトランジット移住に関して発表することにより、トランジット移住をより大きな文脈の中で考察することが可能になる。
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