研究課題/領域番号 |
21K00426
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
山崎 敦 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (70510791)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | フランス文学 / 哲学 / 宗教学 / 汎神論 / フローベール / ボードレール / ユゴー / 美学 / 自然哲学 / 崇高 / ロマン主義 / 自然神学 / クーザン / フランス哲学 / スピノザ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、十九世紀中葉のフランス思想界を揺るがせた汎神論論争が、文学・哲学・宗教学にどのように波及したのか、文学史や思想史の観点から解明することにある。十九世紀フランスの文学史・哲学史・宗教学史を横断して、汎神論をめぐる錯綜した論争の経緯を跡づけ、その文学史的・思想史的射程を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、十九世紀中葉のフランス思想界を揺るがせた汎神論論争が、文学・哲学・宗教の各領域に及ぼした影響を解明することにあった。フランス汎神論論争は、文学ではフローベールやジョルジュ・サンド、哲学ではクザンやテーヌ、宗教学では主にルナンに大きなインパクトを与えたが、ドイツ汎神論論争の研究に比べ、フランス汎神論論争の研究は大きく遅れていた。十九世紀フランスの文学史・哲学史・宗教史を横断し、汎神論をめぐる錯綜した論争の経緯を跡づけた。最終年度に国内外の研究者を招いて国際シンポジウムを開催し研究成果を発信した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
十九世紀フランスにおける汎神論論争は、文学史のみならず、思想史や宗教史のなかでもその重要性が見過ごされてきた。本研究はこうした諸領域をまたいで論争の展開をつぶさに跡づけることによって、その多方面に及ぶ影響を解明した。「神即自然」を唱えたスピノザ哲学に淵源する汎神論は、十八世紀を通じて無神論の別名であったが、十九世紀になると、世紀前半は社会主義、世紀後半は実証主義といったぐあいに、その時々の思潮と結びつき、新たな火種となった。その意味で汎神論は一貫して「危険思想」であったといえるが、汎神論はいまでもなお命脈を保っており、本研究は現代にまで通じるその歴史的意義の解明を試みた。
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