研究課題/領域番号 |
21K00429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森田 直子 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (40295118)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 古典 / バンド・デシネ / 漫画 / アダプテーション / ヨーロッパの漫画 / BD / キャノン / 世界文学 |
研究開始時の研究の概要 |
世界文学の古典は、原文で読まれる以外に翻訳や翻案を通して広く普及してきた。1940年代以降世界各国に普及した名作文学の漫画版は、年少者向けに粗筋や要点を漫画化したもので、文学研究者や教育者から否定的に見られることが多かった。しかし1970年代以降のヨーロッパでは、独自の解釈にもとづく創造的な翻案が多く見られるようになり、現在では漫画が文学教育の場で活用されることも多い。文学も漫画も基本的には「読み物」であるため、両者はいわばライバルの関係にある。本研究では、ヨーロッパの漫画が文学のアダプテーションにおいて漫画らしさをどのように発揮し、どのように犠牲にしてきたかという問題を考察する。
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研究成果の概要 |
世界文学の古典は、原文で読まれる以外に翻訳や翻案を通して広く普及してきた。1940年代のアメリカで「発明」され世界各国に普及した「名作文学の漫画版」は、文学研究者や教育者から否定的に見られることが多かったが、1970年代以降、独自の解釈にもとづく創造的な翻案も見られるようになった。本研究では、基本的には「読み物」である文学と漫画のあいだには独特の緊張関係と親和性があったこと、ヨーロッパにおける文学の漫画化において漫画はメディアとしての固有性をどのように発揮してきたか、もしくはその固有性を犠牲にしてきたか、それは社会における漫画の位置づけとどのようにかかわっているのかを明らかにしようと試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界文学の学習漫画から、古典の読み直し・再解釈を促す作品、自由なアダプテーションまで、文学と漫画の関係の多様性と、それぞれで発揮される漫画メディアの機能(エスニック表象など)を確認した。スイス、フランスの研究者との対話を通じて、文化圏、親しんでいる漫画の系統、書字方向等によって漫画の読み方が異なるという、比較文化・認知科学的な側面の重要性を確認した。また、古典の受容の様式として漫画というメディアを考察するため、漫画におけるデジタル化の進展に伴うインターフェースやコマ概念の変容をふまえた課題設定の必要性について確認した。
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