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世紀転換期プラハのドイツ語文学における認識論と言語思想―フランツ・カフカを例に

研究課題

研究課題/領域番号 21K00430
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02040:ヨーロッパ文学関連
研究機関東京大学

研究代表者

平野 嘉彦  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (50079109)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードプラハ / カフカ / 心霊思想 / 超心理学 / 認識論 / マルティ / 言語哲学 / マイリンク / ブレンターノ学派 / 言語思想
研究開始時の研究の概要

ブレンターノ学派における「唯名論」をめぐる言説については、従来、哲学の分野においても、アレクシウス・マイノングのヒューム研究とエトムント・フッサールとの関係が注目されるのみで、それを思想史的に通観して、文学に、なかんずく初期のフランツ・カフカに、関連づける試みはなされてこなかった。フランツ・ブレンターノの「コペルニクス的転回」がカフカに与えたとおぼしき逆説的な影響についても、これまでほとんど検討されぬままである。カフカにおける「唯名論から実在論への移行」の主題について考究することは、狭義の文学研究の枠内にとどまらず、哲学研究にもフィードバックされうる、学際的にも意義ある企てになるだろう。

研究実績の概要

本研究課題そのものを主題とする著書を、ドイツで上梓する計画は、収録される叢書の編者および出版社の合意のもとに、遅れ気味ではあるものの、着実に推移しており、そのスケジュールにそって原稿を作成している。2023年12月末には、その一部を日本語訳して、雑誌『現代思想』に寄稿した。
他方で、おなじ東欧圏のドイツ語文学の枠内で、ドイツで刊行されたハンドブックに、詩人パウル・ツェラーンに関する項目を執筆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍はほぼ終息したが、高齢のため、万一を懸念して、外国出張を控えており、外国人研究者との意見交換、ドイツないしオーストリアの大学および公立図書館での文献調査が思うにまかせないことが、その理由の第一にあげられる。くわえて、ドイツ語の研究文献に関しても、円安基調によって価格が高騰しており、購入を躊躇せざるをえないことも、その一因である。

今後の研究の推進方策

外国出張によって、外国人研究者との意見交換、ドイツ、オーストリアの大学および公立図書館での文献調査をおこなえるものと期待しているものの、これは、畢竟、外的な要因ないし自身の健康状態によって左右されるがゆえに、現時点では明確な計画として立案することができない。研究者とのメール交換、Zoom の使用等によって代替するにも限界がある。とりあえずは、ダウンロード可能な文献を探索し、あるいは国内の大学図書館に所蔵されている図書を貸借し、またすでに収集した文献を精読することによって、研究をすすめることとしたい。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Paul Celan2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiko Hirano
    • 雑誌名

      Handbuch der Literaturen aus Czernowitz und der Bukowina. Hrsg. von Andrei Corbea-Hoisie / Steffen Hoehne / Oxana Matiychuk / Markus Winkler. Berlin: Springer.

      巻: 巻号なし ページ: 453-456

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 一九一七年のカフカ ― ボルツァーノとアインシュタインを引照して2023

    • 著者名/発表者名
      平野嘉彦
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 51 ページ: 68-77

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ドイツにおける心霊思想、もしくは超心理学 ― デュ・プレルとシュレンク=ノッツィング2022

    • 著者名/発表者名
      平野嘉彦
    • 雑誌名

      未来哲学

      巻: 第4号 ページ: 5-27

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Kafka und Marty. Anhand der "Zwei Gespraeche" aus "Beschreibung eines Kampfes"2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiko Hirano
    • 雑誌名

      Bruecken. Zeitschrift fuer Sprach-, Literatur- und Kulturwissenschaft

      巻: 28/1 ページ: 103-120

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Gustav Meyrinks Roman "Der Golem" und der Spiritismus / die Parapsychologie im deutsch-franzoesischen Kontext2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiko Hirano
    • 雑誌名

      論集 Interkulturalitaet, Uebersetzung, Literatur. Das Beispiel der Prager Moderne

      巻: 19 ページ: 205-223

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ドイツにおける心霊思想、もしくは超心理学 ― デュ・プレルとシュレンク=ノッツィング2022

    • 著者名/発表者名
      平野嘉彦
    • 学会等名
      未来哲学研究所・第4回シンポジウム『霊魂論の未来 ― 情念・鎮魂・他者』
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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