研究課題/領域番号 |
21K00433
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
|
研究機関 | 明治学院大学 (2023) 富山大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
梅澤 礼 明治学院大学, 文学部, 准教授 (50748978)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | マロ / 女性 / 愛 / 光 / 闇 / 犯罪 / 精神医学 / エクトール・マロ / 金銭問題 / 近代社会 / 普仏戦争 / 欲望 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、子ども向けの作家としてこれまで文学研究では軽視されてきたエクトール・マロの評価を、日仏両語での論文はもちろんのこと、翻訳、専門書、一般書の出版を通じて、世界的に一新することを目的とするものである。これにより本研究は、マロについての国内外の研究の発展に貢献できるだけでなく、マロとの関係をめぐって、19世紀フランス文学研究全体に新たな可能性を提供することになることが見込まれる。
|
研究成果の概要 |
児童文学作家とみなされているエクトール・マロが、大人向けの作品のなかで戦争や金や愛といったテーマをどのように描いたのかについて、国内の学会誌に論文が掲載されたほか、フランス、カナダ、アメリカの国際学会で発表した。フランスとカナダでの発表内容は、いずれも令和6年に国際共著として出版される。また、みずからフェミサイドと文学に関する国際学会も開催し、発表内容はオンラインの国際紀要に掲載された。そのほか、雑誌『ふらんす』でマロの関連作品を紹介し、高志の国文学館で講演をするなど、研究の成果を一般にも広く公開することができた。さらに、後世の犯罪学者であるド・グレーフとマロの関係性にも気づくことができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクトール・マロは日本でもフランスでも子供向けの作家として知られている。しかし実際には大人向けの作品を多く発表していた。本研究はそのなかでもとくに戦争や女性や愛情といったテーマに注目し、マロの大人向け作品の特徴を明らかにしようとするものである。これまでの研究のなかで、光と闇がマロ作品を理解するうえで重要な比喩であることがすでにわかっていたが、3年間にわたる国内外での学会発表や国際共著の執筆をとおして、マロが、愛ゆえに近代社会の原始的な闇のなかに生きる女性と、愛ゆえに新しい時代を切り開いてゆく女性の両方を描いていたことが明らかになった。
|