研究課題/領域番号 |
21K00442
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
香田 芳樹 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (20286917)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ハビトゥス / Habitus / ブルデュー / Bourdieu / 習慣 / マイスター・エックハルト / Meister Eckhart / Sexual revolution / パノフスキー / メンタル・ハビット / ゴシック建築 / ヘーゲル / 法の哲学 / 性革命 / ルツィンデ / 習慣論 / アリストテレス / 徳 / 幸福 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近年社会の様々な分野でますます重要性を増している、「ハビトゥス(習慣)」が、ヨーロッパ精神史の中でどのように歴史的に形成されたかを究明し、さらにその文化史的、人間学的意義を解明しようとするものである。アリストテレスにまで遡れるハビトゥスは、ストア派の哲学者を経て、中世のスコラ学者達によって徳の完成としての地位を確立し、近代を経て現代のブルデューへと受け継がれてきた。ハビトゥスを通時的に考察することで、それが近代化にともない変化した生活環境に適応することを迫られた人間が、自身の倫理観と世界観を新たに組み替えるために生み出した思考装置であることを明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究は、現代思想の重要なキーワードのひとつであるハビトゥス(習慣)概念が歴史的にどのように発展してきたかを通時的観点で考察する一方、それが特定の時代区分にどのような社会現象となって現れたかを共時的視点から解明することを目的とした。これによって、ハビトゥスが古代ギリシアのポリス形成時に始まり、13-14世紀ヨーロッパでの科学革命と大学教育改革、19世紀ドイツにおける市民社会形成期、そして現代社会にいたるまで「変化する時代の要請にこたえた社会思想」の役割を果たしてきたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハビトゥスが古代ギリシアから中世、近世を経て現代にいたるまで長い射程をもつ思想であることが再検証された。とりわけ19世紀の市民社会形成期の性モラルの変転をハビトゥス論の視点から解明できた功績は大きい。それに加え、現代におけるこの思想の代表者ピエール・ブルデューの最初期のハビトゥス論を日本で初めて紹介することで、本邦におけるハビトゥス研究に貢献できた。
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