研究課題/領域番号 |
21K00447
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
近藤 昌夫 関西大学, 外国語学部, 教授 (80195908)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ペテルブルク神話 / コロムナ / プーシキン / ゴーゴリ / ドストエフスキー / 小さき人 / ゴシック / ペテルブルク / 都市文学 |
研究開始時の研究の概要 |
令和3年度はプーシキンの作品を「民衆の広場」と「叛徒精神」に着目して分析することでペテルブルク神話の根拠を示し、令和4年度は「小者(メーラチ)」をキーワードにゴーゴリ作品を分析することで神話とコロムナの緊密な関係を検証する。最終年度はプーシキンおよびゴーゴリの分析に基づき、コロムナとペテルブルク神話の関係を課題番号(17K02631)で論証したドストエフスキーの「夢想家」と関連づけ、本研究の目的を遂行する。
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研究成果の概要 |
本研究の成果は、1)従来通説として受容されてきた「ペテルブルクの神話」の文学的原点を、下町コロムナを舞台にしたプーシキンの「ペテルブルク物語三部作」の分析によって論証したこと、2)「ペテルブルクの神話」がその後、ロシア近代の「分断」を描いたゴーゴリの「ペテルブルク小説」と、ゴーゴリを批判して「調和の願望」を描いたドストエフスキーの「夢想家の物語」によってコロムナを舞台にした物語から修辞化していったこと、3)ドストエフスキーの「夢想家」に新たな解釈を提示したこと、4)「虐げられた人々の系譜」とされる 「小さき人」の文学史的解釈に調和の願望の欠落を指摘したことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、従来物語の非現実的内容から先験的に受容されていた「ペテルブルクの神話」の根拠をテクスト分析によって明証し、「神話」の修辞化の端緒とともに「小さき人」の解釈に新たな解釈を示すことでロシア・モダン・クラシックの前史に新たな光を当てたことにある。主な社会的意義は研究成果を学術書(『ペテルブルク神話と文学のコロムナ』水声社、2023年)として出版したことにある。
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