研究課題/領域番号 |
21K00448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
関谷 一彦 関西学院大学, 法学部, 名誉教授 (40288999)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 18世紀フランス文学 / リベルタン文学 / リベルタン版画 / 『ドン・B***の物語』 / ジェルヴェーズ・ド・ラトゥシュ / サド / フランス革命 / キリスト教批判 / ドン・B***の物語 / 女哲学者テレーズ / Dom B***の物語 / 政治的誹謗文書 / フランス文学 |
研究開始時の研究の概要 |
地下文書としての「リベルタン思想」の研究は、日本でも『啓蒙の地下文書』の翻訳などで研究が進んでいるが、「リベルタン文学」の研究はフランスでも遅れており、日本では相変わらず手つかずの状態である。その理由は、「猥褻な」文学としてこれまで研究対象から排除されてきたことによる。本研究は、「リベルタン文学」が18世紀フランス社会でどのように読まれ、受容され、読者に意識変革を与えたのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
(1)18世紀フランスで開花したリベルタン文学のパイオニアであり、後世にも大きな影響を与えたジェルヴェーズ・ド・ラトゥシュ著『カルトゥジオ会修道院の門番であるドン・B***の物語』(以下『ドン・B***の物語』と略す)の翻訳を関西学院大学出版会から上梓した(2024年3月)。 (2)リベルタン文学が18世紀フランス社会およびフランス革命に与えた影響について、「訳者解説」という形で詳説した。そのなかで、リベルタン文学は単なるポルノ文学とは異なり、当時の社会に対する鋭く、激しい批判が描かれていることをテクストから論証した。こうした批判精神こそ、フランス革命へと導くひとつの要素ではないかと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)リベルタン文学のパイオニアであり、その後ディドロ、ヴォルテール、サドにも影響を与えた『ドン・B***の物語』は、日本では未訳であるだけでなく、これまで解説すらなかった。その翻訳は、この作品の歴史的重要性を考慮すると、リベルタン文学を日本に紹介するとともに、今後この領域の研究に資すると考えられる。 (2)本書に掲載した「訳者解説」では、『ドン・B***の物語』の「出版と警察の捜査」「作者」「この作品の魅力」について詳説している。リベルタン文学の日本への紹介だけでなく、本書による当時のキリスト教およびそのモラル批判、フランス革命への影響についても、「訳者解説」は問題提起となっていると思われる。
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