研究課題/領域番号 |
21K00465
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
西口 拓子 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00459249)
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研究分担者 |
石井 道子 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20222953)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | メルヒェン / 翻訳 / グローバル / アジア / グリム童話 / 受容 / 翻訳文学 |
研究開始時の研究の概要 |
受容研究は、翻訳された言語毎に個別に行われる向きがあるため、それらを有機的につなぐことを目的としている。本研究で対象とするグリム童話の場合、各国の初期の受容においては、ドイツ語の原典ではなく英語訳が翻訳の底本として使われることも多く、英語圏での受容にも目を向ける必要がある。アジアでは、たとえば韓国語への初期の翻訳には、日本語訳が底本とされたことが明らかになっており、日本での受容研究を踏まえる必要がある。言語毎に行われてきた研究をつなぐだけでなく、アジアにおける邦訳の果たした役割に関しては、今後の研究の発展に寄与できるよう、オンラインで公開されているグリム童話の邦訳資料のデータベース化を行う。
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研究成果の概要 |
盛んに翻訳が行われる文学作品は重訳と判明することがある。その場合、ターゲット言語の翻訳テクストにおける変容を考察する際に、介在した言語のテクストの参照も必須となる。世界的にみれば英語を介する重訳が多いが、韓国や台湾においては、初期には日本語訳を底本とした場合が少なくない。その調査研究の一助となるデータとして、オンライン公開された邦訳グリム童話テクストの情報を収集した。これは世界の研究者に利するデータである。また、本研究の調査の際に、これまで知られていなかった明治期のグリム、アンデルセン、ペローの邦訳を雑誌『児童新聞』(後に『児童教育』『児童世界』と改称)の中に見つけることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
韓国におけるグリム童話の受容研究は盛んであり専門誌Fabulaでも2021年に特集が組まれた程である。本研究で多数の論文を調査したが、たとえば2018年に韓国で発表されたものは、重訳の底本となった邦訳グリム童話テクストを参照していないために、部分的に問題があった。本研究の一環でドイツ語に翻訳した厳論文は、2022年の刊行であったため間に合わなかったが、今後はそうした誤謬の回避に貢献するであろう。本研究で収集したデータは、韓国と台湾のみならず、世界のグリム童話の受容研究に寄与するもので、今後一般の読者にも利用可能な形に整えていく予定である。
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