研究課題/領域番号 |
21K00481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
米倉 陽子 奈良教育大学, 英語教育講座, 教授 (20403313)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 進行形 / 解釈用法 / ARCHER 3.2 / 近代英語 / 英語進行形 / 行為解説用法 / 通時的英語コーパス / 構文文法 / 文法化 / 行為解釈用法 / 複雑系 |
研究開始時の研究の概要 |
構文文法の枠組みで,後期近代英語における文法化・構文化の具体的事例として,進行形の行為解説用法 [例: I’m not talking to you.] の発達分析を行う。その目的は,文法化は構文化の一種として捉えられるのかという「問い」に答えることである。具体的には,後期近代英語コーパス中の行為解説用法例をその主語・時制・モダリティ性・主従節構造の4点から分類し,それを同コーパス中の継続用法・焦点用法という,非行為解説用法例と比較し,これらの用法間の連続性の有無を判断する。また,この発達は英語の時制・相パラダイムの緊密化の一部であり,複雑系科学で捉えられるかどうか調べる。
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研究実績の概要 |
研究計画第2年次にあたる2022年度は,前年度に引き続き,ARCHER (A Representative Corpus of Historical English Registers) 3.2コーパスから英語解釈用法進行形 (the interpretative progressive) 例の採取を継続しつつ,関連文献の読み込みを行った。 コーパス採取については,当該コーパスの17世紀から19世紀の英国英語セクションに*ingで検索をかけ,得られたデータを一つ一つ精査する手法で進めた。その結果,解釈用法はKranich (2010)で主張されているas if句により導入されたというよりは,長谷川 (2002) の主張したbelief-contextに加えて,「対比性」を強調する文脈で発生した可能性が高いことが分かった。 以上の研究成果を論考としてまとめ,2022年10月に近代英語協会叢書(第1巻)へ投稿した結果,編集者2名による査読を経て,2022年12月に掲載が決定された。この叢書は2023年度注にPeter Lang社から出版予定である。2023年2月中旬にすべての校正を終え,脱稿している。 また,関連論文を精査していく中で,ヨーロッパ言語の中ではフランス語進行形 (etre en train de 不定詞)に同じような解釈用法が存在していることが分かった。一方,複数の進行形フォームを持つオランダ語には,解釈用法そのものを担う進行形は存在していないものの,結びつきやすい動詞タイプによって「主観的用法 (subjective use, 解釈用法もしばしばこのタイプとして分類される)」の許容度に差がでるという。この点についても,引き続き調査が必要なことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画第2年次は,ここまでの研究成果を論考の形にまとめ,『近代英語協会研究叢書第1巻』であるLinguistic and Stylistic Approaches to Speech, thought and Writing in English: Diachronic and Synchronicへ投稿した。その結果,編集担当者による査読を経て,2022年12月に掲載が決定された。ただし,「研究の概要」にも記した通り,この叢書は2023年3月に刊行予定であったものの,2023年5月現在,諸事情により出版が遅れている。しかし刊行責任学会(近代英語協会)の「会報 (2023年4月1日付)」には「近日中にPeter Lang社から出版される予定」とのことである。 また,2023年2月には「近代英語協会第40回大会」(2023年6月開催予定)での個人研究発表予定が決定した。それに合わせて,フランス語「etre en train de 不定詞」と「単純時制形」の比較データを分析する必要がでてきたので,フランス語話者へのインフォーマント協力の手はずを整えた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画第3年次にあたる2023年度は引き続き,関連先行研究の読み込みを行いながら,2022年度中に得られたARCHER 3.2からの英語解釈用法進行形の採取例の分析を勧めたい。具体的には,解釈用法例が現れている文脈の特徴を精査し,またing形になっている動詞の種類を分析することである。2023年6月には本研究の一部を近代英語協会第40回大会にて口頭発表する予定である。本発表では主に,ARCHER 3.2からの採取データの詳細な分析を公表したい。 また,ARCHER 3.2の20世紀英国英語セクションからも解釈用法進行形例を採取する。例が採取出来たら,20世紀例についても,共起文脈や動詞の種類の分類はもちろんのこと,現れている構文に変化がないのかも調査したい。たとえば2022年度までの調査では19世紀後半セクションにはじめてIt-cleft文と解釈用法進行形の共起例が見られるのだが,20世紀になって初めて共起が確認できる構文があるか否かが今年度の興味の対象である。
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