研究課題/領域番号 |
21K00510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
田辺 和子 日本女子大学, 文学部, 教授 (60188357)
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研究分担者 |
井上 史雄 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (40011332)
柳村 裕 国際医療福祉大学, 国際交流センター, 助教 (50748275)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 丁寧体 / 「です」 / 「ます」 / 対者敬語 / 省略体 / 「っす」 / 言語的合理性 / 新丁寧語 / 連用形 / 終止形 / 性差 / 世代差 / 敬語 / 丁寧語 / 謙譲語 / 歴史社会言語学 / ポライトネス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の研究テーマは、丁寧語の助動詞「ます」が衰退し、「です」「っす」の進出が進んでいる現代語の敬語の変化を、歴史社会言語学的見地から考察するものである。話題の人の地位が高いことで敬語を使う「素材敬語」から、聞き手を意識した「対者敬語」への移行は、10世紀以来の日本語の敬語の変化の傾向である。謙譲語から丁寧語が創出され、ある程度の期間使用された後、使い古されて行く循環は、日本語史上、繰り返されている。いわば、丁寧語の創造と消費の循環ともいえるだろう。本研究は、日本語の待遇表現の変化の特徴を歴史社会言語学の視点をふまえて捉え直すことを目的としている。
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研究成果の概要 |
本研究では、丁寧体「です」の簡略体である「っす」の使用の拡大状況をアンケート及びインターネットから考察した。その結果、20代男性は、「形容詞+っす」、「名詞+っす」のみならず、「動詞+っす」という非文法形にも、受容度が高いことが判明した。この「動詞+っす」の使用が拡大傾向にあるということは、動詞の連用形に接続する丁寧体「ます」の衰退を意味することである。若い女性においては、「行くです」という「動詞+です」使用がインターネット等でみられる。これは、先輩に親しみを表す表現として使われる場合があることを示唆している。このように、日本語の変化の兆候として、「です」への統一「ます」の消滅が推察できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、長期的視野に立って日本語の変化を社会言語学的観点から考察することを目的とする。言語変化から社会の変化を理解し、日本の未来像を考える貴重な材料となる。言語変化の大きな特徴としては、言語的合理性の追求が挙げられる。より無駄のないように、言葉の言語形態が整えられていく過程が考察できる。このような通時的言語研究は、共時的言語研究では得られない、言語の本質を探求できる学術的意義は大きい。
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