研究課題/領域番号 |
21K00524
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安井 永子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (30610167)
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研究分担者 |
林 誠 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70791979)
高梨 克也 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (30423049)
岡田 みさを 北星学園大学, 経済学部, 教授 (90364215)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 相互行為分析 / 会話分析 / 身体動作 / 文法と身体 / 日本語文法と身体 / 相互行為 / 身体活動 / マルチモダリティ / 文法と身体動作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、文法を、会話とは別に存在するシステムとして捉える従来の言語学では明らかにできなかった、相互行為における文法の役割について探る。会話のビデオデータを用いた相互行為分析により、文法と身体動作の産出との関連について体系的な解明を行い、文法の新たな捉え方を提示することを目的とする。身体動作が中心となる活動(ダンスの教授場面など)を分析対象とし、語順などの文法構造が、発話に伴う身体の動きとどう関わるかについて明らかにする。その上で、異言語間との比較により、日本語文法固有の特徴が、身体動作の産出にどう影響を与えるか、及び、言語のどのような類型論的特徴が、身体動作の産出と関わるのかを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、身体動作が中心となる活動のビデオデータを用い、日本語の発話の構造や語彙の選択が、発話者やその他の参与者の身体動作の産出とどのように関わるのかを探る相互行為分析研究である。 3年目となる2023年度は、プロジェクトの整備に尽力した。まず、本科研費の研究期間終了後もプロジェクトを継続させるため、科研費の前年度応募を行なった。その際、協力者や分担者として関わってもらえる国内外の研究者に声をかけ、メンバーの拡充を図った。また、プロジェクトの進め方の見直しも行なった。これまでは、各自で個別に研究テーマを設定し、各自で分析に取り組むことで、文法と身体にかんする研究数を増やしていくことを目指していたが、取り扱う身体的活動の種類も、行為や連鎖や現象もバラバラでは、まとまった成果としてとらえにくいという問題が生じていた。そこで、今後は、注目する現象/文形式/行為を絞り、類似事例を幅広い場面から集めていくことで、共同で分析を進める方針に切り替えることとなった。 その他の活動は以下の通りである。 ・国内外にて、各々の学会発表を行なった。 ・代表者の安井と分担者の岡田が、スウェーデン、リンショーピン大学にて開催されたEmbodied syntax network conferenceに出席し、ヨーロッパ圏言語での関連研究について最新の動向を確認したほか、海外で同様の関心を持つ研究者たちとの交流や意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでは、各自で個別に研究テーマを設定し、各自で分析に取り組むことで、文法と身体にかんする研究数を増やしていくことを目指していた。その上で、それぞれの成果をまとめた雑誌の特集号を発行するための準備に取り掛かるつもりであった。しかしながら、取り扱う身体的活動の種類も、行為や連鎖や現象も異なる上に、文法と身体にかかわるテーマで分析を進めうるだけの事例が集まりにくいなどの問題が生じていた。そのため、今後の方針を転換させる必要が生じており、思うようにプロジェクトを進めることができなかった。 また、2024年度が最終年度となるため、継続して本プロジェクトを進められるよう、科研費の前年度応募を行なったが、(基盤Bへの応募を目指したこともあり)採択には至らなかった。 以上の理由により、「やや遅れている」状況である。
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今後の研究の推進方策 |
発話と身体動作の関わりに、発話における日本語固有の文法的特徴がかかわることを明確に示す成果がまだ出ていないのが大きな課題である。そこで、今後は方針を変更させ、注目する現象/文形式/行為を絞り、類似事例を各自のデータより収集し、事例数を増やすことを試みつつ、共同で分析を進めていきたい。 今後は、これまでよりもミーティングの頻度を上げ、定期的にオンラインにてデータを検討する機会をもうけ、年度末までには論文にまとめられるような分析を進めておくことを目標とする。
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