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ユカギール語系統論の視座:論点の整理と将来への展望

研究課題

研究課題/領域番号 21K00526
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関和歌山大学

研究代表者

遠藤 史  和歌山大学, 経済学部, 教授 (20203672)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
キーワードユカギール語 / ユカギール語系統論 / 歴史・比較言語学 / 北方諸言語研究
研究開始時の研究の概要

ユカギール語系統論の再活性化に向けて、この論議が最初に提起された1940年代から現在までの主要な文献の再検討を進め、次の2点を明らかにすることを目標とする。(1)1940年代から現在までの間に提案された種々の系統論の試みに見られる主要な論点を検討し直し、それらが達成した成果、および未解決のまま残された課題を、整理した形で示す。(2)それらの成果および未解決の課題を、現代の歴史・比較言語学の成果を参照することによって再検討し、ユカギール語系統論が北方諸言語研究の記述的・理論的発展に貢献しうる観点を見出し、将来への展望を切り拓く。

研究実績の概要

1940年代から現在までの間に提案された種々のユカギール語系統論の代表的な文献であるCollinder(1940)“Jukagirisch und Uralisch”およびTailleur(1959)“Plaidoyer pour le youkaghir, branche orientale de la famille ouralienne”などに見られる主要な論点の検討を継続して進めた。
これらの文献の検討と並行して他の資料の検討も進めた。具体的には Nikolaeva(2006)A Historical Dictionary of Yukaghirの検討を進めるとともに、報告者自身が収集してきたツンドラおよびコリマ・ユカギール語資料も参照しつつ、主要な論点の整理を進める作業を継続した。この結果として、本年度は2点の論文を発表・投稿した。
上記と並行して、将来の考察のために必要となる資料の収集にも努めた。フィンランドの研究者が近年発表した、現時点での「ウラル語=ユカギール語同系説」の評価に関する論文を再検討して、論文中に見られる新たな観点について考察を進めた。また、ユカギール語に関するもう一つの系統論の流れと言える、エスキモー=アレウト語との同系論に関して、最も包括的かつ先進的であるFortescue(1998)Language Relations across Bering Straitに含まれる論点の把握と整理を継続して進めた。ウラル諸語に関して最近まとめられた浩瀚なガイドブック(Bakro-Nagy et al. eds. (2022), The Oxford Guide to the Uralic Languages)を入手することができたので、ウラル諸語の細部についてのより詳細な資料を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

基本的文献の収集を行い、新たな文献の入手に努める段階に進むことはできたが、それらの中に含まれる細部のデータの蓄積やその検討などが若干遅れており、近年の比較言語学の問題設定と研究手法を把握した上での研究成果の発表に至っていないため。

今後の研究の推進方策

現在までに収集した「ウラル語=ユカギール語同系説」の代表的文献に含まれている基本的な趣旨をより正確に把握するとともに、新たに入手した文献も含めて、この分野のさらなる文献の収集を試み、それらの主旨の把握と再検討を継続する。その上で、これらの研究が達成した成果は何か、そして未解決のまま残されている課題は何か等の論点整理を行い、論文の作成に結び付ける。
上記と並行して、ユカギール語系統論に関して、エスキモー=アレウト語との同系説に関する論点の把握に努める。近年の歴史・比較言語学の成果を援用することによって、上記で得られた論点を再検討する作業を継続する。特にFortescue(1998) Language Relations across Bering Straitが提起している言語接触の問題に関して、北方諸言語について、系統関係/言語接触の二分法を超えた新たな提案を展望できる可能性について考察を進展させる。
併せて、「ウラル語=ユカギール語同系説」に関して、今年度収集したデータも含めて細部のデータを積み上げ、ケーススタディによる議論を進化させる。具体的には、ウラル諸語の否定動詞とユカギール語の否定要素との関係、ウラル諸語の格語尾とユカギール語の格語尾との関係、可能であればウラル語の複文構造とユカギール語の複文構造との関係等についてケーススタディーを行う。以上の研究成果をまとめた論文を執筆・投稿する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] コリマ・ユカギール語の節連鎖の発達についての試論2024

    • 著者名/発表者名
      遠藤 史
    • 雑誌名

      経済理論

      巻: 417

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] コリマ・ユカギール語の長母音の音韻論的解釈をめぐって2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤 史
    • 雑誌名

      経済理論

      巻: 415 ページ: 23-35

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 20世紀初頭のコリマ・ユカギール民話の文体について2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤 史
    • 雑誌名

      和歌山大学経済学会研究年報

      巻: 26 ページ: 41-54

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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