研究課題/領域番号 |
21K00530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 藤女子大学 |
研究代表者 |
井筒 美津子 藤女子大学, 文学部, 教授 (00438334)
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研究分担者 |
井筒 勝信 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70322865)
小熊 猛 金沢大学, 外国語教育系, 教授 (60311015)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 独り言 / 独話的言語特性 / 聞き手意識・他者意識 / 発話類型 / 言語類型的特性 / 感情の発露 / 思考の手助け / 自分との対話 / 独話化辞 / 言語的特異性・類似性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本語、英語、韓国語を中心とした「独り言」の通言語的・類型論的研究を行う。独り言の範疇化(「感情の発露」「思考の手助け」「自分との対話」など)を行い、各タイプでどのような言語的特異性と類似性が見られるのかを明らかにする。特に、これらの独り言を、喚声・罵り語的特性、語彙・文法的特性、対話的特性などの共通した参照枠に基づいて比較することにより、独り言の発話類型の体系的な整理を行う。
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研究実績の概要 |
本課題の目的は、日本語・英語・韓国語を中心とした「独り言」の通言語的・類型論的研究を行うことである。具体的には、独り言の範疇化(「感情の発露」「思考の手助け」「自分との対話」など)を行い、これらのタイプ別に研究課題を設定し、独り言の言語固有の特異性と言語間の類似性を明らかにすることを目的とする。 交付申請書に記載した三つの研究課題のうち、2022年度は前年度に引き続き、①「感情の発露」として表出される独り言の対照研究を行った。2021年度に実施した英語と日本語のresponse cries (Goffman 1978)に関する研究を基に、2022年度は同様のアンケート調査を韓国語母語話者に対しても実施し、韓国語と日本語の対照研究を行った。その成果は、2023年3月に行われた30th Japanese/Korean Linguistics Conferenceで発表した(ポスター発表)。発表の内容は、学会のproceedingsに投稿する予定である。 また、上記の研究と並行して、②「思考の手助け」として現れる独り言データを収集するための実験を設計し、既に日本語母語話者を対象とした実験を開始している。現在、実験の中で発せられた日本語の独り言データを書き起こし、言語資料(コーパス)としてまとめる作業を行っている。2023年度も引き続き、これらのデータ収集・コーパス編纂作業を行う予定である。 また、2023年7月に開催される18th International Pragmatics Conferenceでパネルセッションを企画し、採択された。研究代表者・分担者らは、このパネルセッションで、もう一つの研究課題(③ 「もう一人の自分との対話」として現出する独り言の対照研究)も含め、独り言に関する各々の研究成果を発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度・2022年度に計画していた①「感情の発露」として現出する独り言の対照研究については、日本語・英語と日本語・韓国語の対照研究を実施し、それぞれの成果を国際学会で発表した。前者については既に国際雑誌に掲載され、後者についても学会プロシーディングスに投稿予定である。また、② 「思考の手助け」として用いられる独り言の対照研究についても、既に日本語の独り言データ収集のための実験を開始し、得られたデータを取りまとめる作業を行っている。 これらの進捗状況を勘案すると、本研究課題は「(2)おおむね順調に進展している」といえる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、②「思考の手助け」として用いられる独り言の日本語母語話者を対象とした実験をさらに進め、その成果を7月にベルギーで行われる18th International Pragmatics Conferenceで発表する計画である。また、研究分担者らが中心となり、③ 「もう一人の自分との対話」として現れる独り言研究も並行して行い、その成果も上記学会等で発表する予定である。 さらに、コロナによる制約が解消されれば、②「思考の手助け」として用いられる独り言のアメリカ英語母語話者を対象とした実験も行いたい。実験は、研究協力者が勤務するアメリカの大学で実施する計画である。
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