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語意の分析的特性はどのように生まれるか:記号コミュニケーション発達の視点から

研究課題

研究課題/領域番号 21K00534
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関早稲田大学 (2022-2023)
鎌倉女子大学 (2021)

研究代表者

佐治 伸郎  早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授(テニュアトラック) (50725976)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード言語習得 / 意味論 / 語意習得 / ジェスチャー / 第二言語習得 / 語彙習得 / 記号コミュニケーション / 類像性 / 動詞 / 色語彙 / 発達心理学
研究開始時の研究の概要

研究計画は以下の二つの構成からなる.第一に,大人が「状態変化」事態(e.g., 「ハンマーで石を砕く」等)の描写において有縁的記号による描写と,言語による説明をどのように使い分けるのかを実験的に調査し,両者の使い分けを喚起する要因について明らかにする.第二に,同様の実験刺激および手続きを用いて,4-5歳の子どもがどのように両者を使い分けるのかを調査し,その使い分けのパターンを大人と直接比較する.さらに分析では,子どもの用いる「状態変化」事態を表す動詞(e.g., 「ちぎる」「やぶく」等)の意味体系がどのように大人の意味体系に近づいていくのかをモデル化する

研究実績の概要

2023年度は,これまでの研究成果を雑誌に投稿,出版した.第一に,若手研究から継続して研究を続けていた第二言語習得における動作動詞の使い分けの習得研究について,この成果をPLOS ONE誌に掲載した.この研究は,これまで子どもを対象に行っていた動作同士の使い分けに関する研究を第二言語習得研究に応用したもので,第二言語学習者の語意習得において,語の中心的意味を習得する場合と他の語との関係を習得する場合とで,それに寄与する要因が異なることを明らかにした.第二に,子どもを対象にして,他者との共有基盤の有無が語の使い分けやジェスチャーの利用にどのように影響を与えるかを検討した研究を国内雑誌認知科学に掲載した.この研究では,自分と相手が同じ共通の知識を有しているかどうかで,相手に情報を伝えるための方略が異なること,その方略の選択が5歳から6歳の発達段階において変化することを明らかにした.更に2023年度はこれらの成果を踏まえ,新たな研究課題の立案を行なった.具体的には,動作動詞の使い分けに関する研究を他言語へと拡張して実施し,日本語母語児との比較を行うことを計画している.この実験については現在データ収集,分析のための準備を進行中である.
更に本課題に関連して,子どもの語意習得と関連分野に関する章論文の執筆を行なった.ここでは語意構造とクオリア構造との関係,認知発達ロボティクスとの語意習得との関係,言語習得における生得論と経験論について議論を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度は,これまでの成果を雑誌論文としてまとめることができた.特に共有基盤と子どもの語の使い分けに関する研究成果は本研究計画の中心的な課題であり,この研究成果を早々に出版できたことは当初の予定を大きく上回っていると考える.

今後の研究の推進方策

当初の予定よりも順調に成果をあげることができているため,新たな研究課題についても着手を行う.具体的には,次の二つの方向性での展開を考えている.第一に,これまでの子どもの語意習得に関する研究成果を他言語へと拡張し,習得機序に関する普遍性と個別性を議論する.第二に,これまで動作動詞中心に展開していた研究をそれ以外の研究領域に拡張する.この方向性は,これまで研究した経験のある色や物体形状の他,感情や音などの領域も視野に入れて計画している.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] 共通基盤構築における記号表現の発達的変化2024

    • 著者名/発表者名
      佐治 伸郎、髙山 美砂、山崎 安里紗
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 31 号: 1 ページ: 157-171

    • DOI

      10.11225/cs.2023.070

    • ISSN
      1341-7924, 1881-5995
    • 年月日
      2024-03-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Learning semantic categories of L2 verbs: The case of cutting and breaking verbs2024

    • 著者名/発表者名
      Saji Noburo、Hong Chunzi、Wang Chong
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 19 号: 1 ページ: e0296628-e0296628

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0296628

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 言語習得研究のこれまでとこれから2023

    • 著者名/発表者名
      今井 むつみ、佐治 伸郎
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 30 号: 1 ページ: 63-73

    • DOI

      10.11225/cs.2022.076

    • ISSN
      1341-7924, 1881-5995
    • 年月日
      2023-03-01
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] From green to turquoise: Exploring age and socioeconomic status in the acquisition of color terms2022

    • 著者名/発表者名
      Scott Molly E.、Kanero Junko、Saji Noburo、Chen Yu、Imai Mutsumi、Golinkoff Roberta M.、Hirsh-Pasek Kathy
    • 雑誌名

      First Language

      巻: 43 号: 1 ページ: 3-21

    • DOI

      10.1177/01427237221112499

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 書評「言語は本能か―現代言語学の通説を検証する」2022

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 雑誌名

      認知言語学研究

      巻: 7 ページ: 126-130

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 初期指さしにおける語用論機能2024

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 学会等名
      日本発達心理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] あなたにとってのオレンジは私にとってのオレンジか:言語から探るクオリア構造2023

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 言語の認知科学における理論と方法2022

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 学会等名
      日本認知言語学会第1回チュートリアル
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 言語発達から音楽発達を考える2021

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 学会等名
      日本音楽知覚認知科学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 『赤さ』は知覚か意味か:子どもの色語習得の事例から考える2021

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 学会等名
      日本語用論学会メタファー研究会シンポジウム:マルチモダリティーと言語
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 刺激の貧困問題を通してみる生得論と経験論(科学, 94(4))2024

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      岩波書店
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] クオリアと言語(科学 93(6))2023

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      岩波書店
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 子どもとロボットの発達:生命情報から社会情報へ(谷口忠大他編「未来社会と「意味」の境界:記号創発システム論/ネオ・サイバネティクス/プラグマティズム」)2023

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      勁草書房
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 言語と身体(認知科学講座1 心と身体)2022

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      9784130152013
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] ことばの意味を編む(発達172:子どものことば、再発見!)2022

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623094806
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 知覚と意味の関係についての一考察: 空と絵はなぜ同じように「きれい」なのか(認知言語学の未来に向けて ―辻幸夫教授退職記念論文集―に収録)2022

    • 著者名/発表者名
      佐治伸郎
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      4758923671
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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